2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギー発症における細胞内イオン取り込みの患者固有傾向識別法確立への試み
Project/Area Number |
14657499
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
濱野 英也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30280986)
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Keywords | 歯科金属 / 金属アレルギー / 金属イオン / 培養細胞 / 溶出 |
Research Abstract |
歯科医療で使用されている補綴修復物合金に含有される金属元素が原因と考えられるアレルギー疾患などの障害が頻繁に報告されるようになり,従来生体にとってほぼ無為害性とされてきた歯科金属でも状況によっては注意を払う必要がでてきている。歯科金属に含有される元素の溶出から生体への影響までを,医療従事者として詳細に把握し,各省令については,的確に対応できる体制作りが望まれるようになってきている。本研究は各金属イオンが存在する環境下での各種培養細胞への金属イオンの取り込みとDNAレベルでの障害,機能性タンパク分子ならびに遺伝子発現の様相,および細胞の損傷,回復,死滅に与える影響について検索し,アレルギー反応とのデータを蓄積することにより細胞のイオン取り込み傾向や付随する要因より,アレルギー反応を予測し,診断や治療に役立てる手がかりを得ることが本研究の目的である。実験装置として細胞内各種タンパク質の同定などに用いるゲル電機泳動システムを使用し,培養細胞にアレルゲン性の高いコバルト,ニッケル,クロム,水銀イオンを選択して投与,さらにDNAマイクロアレイスキャン蛍光検出装置により遺伝子解析を行うべく,本年度は,本研究を開始するにあたり,培養細胞における金属イオンと各種化学物質の至適投与濃度を決定し,細胞増殖を阻害しない濃度により,金属イオン取り込み実験を行った。得られた結果より,従来より共同研究活動を行っている米国ノースカロライナ大学より提供を受けたストレスタンパク質発現遺伝子を導入した細胞を使用し,金属イオン至適投与濃度における環境下で細胞増殖への影響についても検討し,ストレスタンパク質が金属イオンにより選択的にまた防御的に機能していることを確認した。細胞内に蓄積した金属元素の測定と遺伝子発現量の測定,DNAのPCRによる増幅等については機器の性能が安定せず,次年度への課題とする。
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Research Products
(1 results)