2003 Fiscal Year Annual Research Report
超薄型高感度磁界センサを用いた顎機能診断装置の開発
Project/Area Number |
14657541
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
薮上 信 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00302232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 賢一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40006268)
金高 弘恭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50292222)
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Keywords | 顎運動 / 顎機能 / 診断装置 / 磁気 / モーションキャプチャ / 薄膜コイル / 薄膜磁界センサ / 小型化 |
Research Abstract |
本研究では,我々の研究チームで開発された交流磁界式モーションキャプチャシステムを歯科医療分野に応用することにより,従来装置では測定が困難であった咀嚼や嚥下運動時の顎運動を,患者の負担の少ない状態で,顎機能異常の診査ではきわめて重要な下顎頭の運動も含め,より自然に近い状態で測定可能とする顎機能診断装置を開発し,その臨床応用を図ることにより,顎機能異常患者に対する機能的診断法を確立することを目的とした. 上記目的を達成するために我々が培ってきた磁気式モーションキャプチャシステムの基本技術をベースに,顎顔面領域に関する顎機能診断装置用に特化した交流磁界式モーションキャプチャシステムの開発を行った.磁界を媒体とした位置検出システムにおいて磁界強度は磁界発生源とセンサとの距離の3乗に反比例するため、センサと磁界発生源の距離が接近するほど原理的に高い位置分解能が可能である.本研究ではセンサおよび磁界発生用マーカが両方ともに口腔内に配置可能であり、従来の顎運動計測システムに比較して高い位置分解能が実現できると考えられる.顎運動の範囲をマーカの位置を求める際の制約条件として考慮することにより,位置精度は数十μm以内へ向上することが可能になると考えられる. 具体的には,まず位置精度計測用顎模型を利用し,システム全体の正常動作の確認を行った.つづいて顎模型を用いた標準的な動作において位置分解能を測定したところ、成人男子の最大変移である40mmの移動において最悪でも100μm程度の位置分解能を得られることを確認し、本システムが基本的に高分解能計測に向いていることを示した.6自由度の複雑な顎運動計測における位置精度は数mm程度であるが,将来的にはさらなる位置精度の向上を目指し,あわせて,表示分析ソフトに修正を加えることにより,臨床応用に近づける.
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Research Products
(2 results)