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2002 Fiscal Year Annual Research Report

エノール型チミンとグアニン間での塩基対形成の可能性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 14657561
Research InstitutionToyama Medical and Pharmaceutical University

Principal Investigator

柴田 哲男  富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (40293302)

Keywords核酸 / 突然変異 / エノール / イソスター / フッ素
Research Abstract

突然変異は,核酸塩基の互変異性体(エノール型異性体)が,関与しているといわれている。しかし,互変異性体はごく微量しか存在しないため,合成することはもとより確認することすら難しい。そこで塩基の互変異性体に相当する化合物,すなわち,エノール型イソスターを設計し合成することを試みた。まず,チミンエノール型イソスター分子の合成を行った。分子計算化学的手法を用いた分子設計により,塩基部に5-Fluoro-2-methyl-phenolを組み込んだデオキシリボースがチミンエノール型イソスターになりうることがわかった。合成は以下のように行った。まずフルオロメチルアニリンのアミノ基を水酸基に変換後,臭素化,さらに水酸基をTBDMS基で保護して塩基部を合成した。続いて,2,2-Diisopropyl-tetrahydro-furo[3,2-d][1,3,2]dioxasilin-6-oneと縮合,トリエチルシランによる還元,つづいてシリル基を脱保護して標的のチミンエノール型イソスター,5-(2-Fluoro-4-hydroxy-5-methyl-phenyl)-2-hydroxymethyl-tetrahydro-furan-3-olを合成することに成功した。続いて,グアニンエノール型イソスターの合成を行った。分子の設計にあたっては,先と同じく,HF-6-31G**を用いて解析した結果,互変異性に関与する窒素原子を炭素原子に置き換え,エノール構造しか取りえないフェノールタイプの化合物を,すなわち,アミノヒドロキシベンズイミダゾールが立体的にも電気的にもアデニンの等価体となることが判明した。そこで,アミノヒドロキシベンズイミダゾールを持つデオキシリボースの合成を行うこととした。まず,トリニトロベンゼンのひとつのニトロ部をメトキシ化した後,さらにニトロ化,2回の還元を経て,ジアミノ体に導いた。蟻酸ナトリウムで環化してベンゾイミダゾール環を合成した後,メトキシ基を臭化水素酸で処理して脱メチル化し,核酸塩基部の合成を完了した。このものと糖クロル体とをカップリングしたのち,脱保護,還元反応を経て目的のグアニンエノール型イソスターの合成に成功した。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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