2003 Fiscal Year Annual Research Report
パーフルオロアルキル置換オレフィン類の新合成法の開発とその応用
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14657562
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石橋 弘行 金沢大学, 薬学部, 教授 (70028869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 淳典 和光純薬工業(株), 化成品研究所, 主席研究員
田村 修 金沢大学, 薬学部, 助教授 (30257141)
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Keywords | リン試薬 / ハーナー反応 / トリフルオロメチル基 / トリフルオロプロペニル / ホスフィンオキシド / 含窒素複素環化合物 / 2-プロリンアルデヒド / ラジカル反応 |
Research Abstract |
すでに筆者らは,クロロジフェニルホスフィンとトリフルオロ酢酸及び水との反応で容易に合成することのできる2,2,2-トリフルオロエチルジフェニルホスフィンオキシド[Ph_2P(O)CH_2CF_3](1)が無水テトラヒドロフラン中テトラブチルアンモニウムフルオリド存在下2-ナフチルアルデヒド等とホーナー反応を起こして1'-(2-ナフチル)-3,3,3-トリフルオロプロペン類を収率良く与えることを見出している.本反応を3-フェニルプロパナールとの反応に応用すると目的物が得られない事実は,塩基性条件下エノール化し得るアルデヒド等との反応は本反応が適用できないことを示している.しかし,筆者らは2,2,2-トリフルオロエチルジフェニルホスフィンオキシド(1)とエノール化し得るアルデヒドとの反応を詳細に検討したところ,ある種のアルデヒドとの反応で目的とする3,3,3-トリフルオロプロペン類が得られることを見いだした.即ち,窒素原子上にBoc基のようなかさ高い置換基を有する2-プロリンアルデヒドはリン試薬(1)と効率良くホーナー反応を起こして目的物を与えることを見い出した.一方,窒素原子上の置換基を小さくすると目的物の収率も低下することも分かった.さらに,高収率で得られた化合物の窒素原子上の置換基をハロゲン原子を有するものに変換し,それらの化合物のラジカル反応及びヘック反応による3,3,3-トリウルオロプロペニル基への環化反応を検討したところ,トリフルオロメチル基を有する新たな含窒素複素環化合物が収率良く得られることも見い出した.
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