2002 Fiscal Year Annual Research Report
核酸検出に用いる新規水溶性化学発光高分子プローブの創製
Project/Area Number |
14657572
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
甲斐 雅亮 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00160953)
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Keywords | 核酸検出 / 水溶性高分子 / 化学発光性プローブ / 高分子プローブ / デキストラン / プルラン |
Research Abstract |
研究代表者らは、水溶性高分子化合物に低分子量の発光物資を多数標識すると、低分子量の発光物質の結合数に応じて、蛍光はかなり消光するが、化学発光は著しく増大する現気を見出した。そこで、糖などのモノマー成分が重合した水溶性高分子化合物に低分子量の化学発光性物質を多数標識する合成を試み、新規の水溶性発光高分子化合物の創製研究を行った。まず、高分子としてセファデックスビーズを用い、そのビーズ1個中のグルコースのモル数に対してルミノールが6〜23%結合している修飾ビーズ3種を合成し、化学発光を測定した。ビーズに結合したルミノールは、結合数に比例、もしくは、それ以上の強い化学発光強度を与えることを実証し、ルミノールが約23%結合しているビーズ1個は、遊離ルミノール1分子よりも約2×10^<10>倍量の化学発光強度を与えることが分かった。次に、多糖である平均分子量17万のデキストラン及び平均分子量85万のプルランを用い、デキストラン1分子中に約300個のルミノールと約20個のビオチンが結合しているもの、及びプルラン1分子中に約1800個のルミノールと100個のビオチンが結合している水溶性の化学発光性高分子化合物の合成に成功した。両者の分光学的性質を調べた結果、予期したようにルミノールの結合数に比例したモル吸光係数と化学発光強度を与えることが分かった。特に、約1800個のルミノールが修飾しているプルランの化学発光強度は極めて強く、その検出限界(S/N=3)は約1.0×10^<-17>molレベルであった。このような超高感度な水溶性化学発光性高分子プローブは、国内及び国外において開発されていない独創的なものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Choiwan Lau: "Simple Chemiluminescence Method for the Determination of Mercaptopurine"Analytical Sciences. 18. 1043-1045 (2002)
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[Publications] De-Qi Yuan: "The first successful investigation into a cyclodextrin-based enzyme model as an efficient catalyst for luminol"Chem. Commun.. 730-731 (2002)
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[Publications] Choiwan Lau: "Controlled Kinetics of non-enzymatic chemiluminescence reactions for simple imaging of DNA and protein"Anal. Bioanal. Chem.. 374. 1064-1068 (2002)
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[Publications] Jianzhong Lu: "Simple and convenient chemiluminescence method for the determination of melatonin"Analytica Chimica Acta. 455. 193-198 (2002)
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[Publications] Masaaki Kai: "Sensitive determination of a β-lactam antibiotic, cefaclor by liquid chromatography with chemiluminescence"J. Pharm. Biomed. Anal.. 30. 1765-1771 (2003)