2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しい機能獲得変異体スクリーニングによる自然免疫の分子機構の解明
Project/Area Number |
14657577
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90221944)
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Keywords | 自然免疫 / 機能獲得型変異体スクリーニング / 抗菌ペプチド産生 |
Research Abstract |
本研究で推進した新しい機能獲得型変異体スクリーニングでは、ショウジョウバエに酵母の転写因子GAL4のターゲット配列UASをゲノムにランダムに導入し、その下流に位置する遺伝子を強制発現させる。そして、この人為的な遺伝子発現により自然免疫が活性化したかどうかを、同時に導入しているレポーター遺伝子の発現とフェノール酸化酵素系の活性化(メラニン化)でモニターするものである。このレポーター遺伝子は、自然免疫の活性化により発現が誘導される抗菌ペプチドのプロモーターを有しており、抗菌ペプチド産生誘導を可視化できる。これまでに,目標としていた4千系統の解析を行い,抗菌ペプチドの全身性の発現誘導を引き起こす系統を1系統、マルピーギ管(排出系上皮細胞)での局所的な抗菌ペプチドの発現誘導を引き起こす系統を1系統、さらに、フェノール酸化酵素系を活性化する系統を1系統同定した。全身性の抗菌ペプチドを誘導する系統では、構造上膜受容体をコードする遺伝子が同定きれ、全身性の抗菌ペプチド産生誘導を制御するimd経路で、これまで想定されていながら未同定であった膜上受容体をコードする遺伝子である可能性が指摘された。上皮細胞での局所的な抗菌ペプチドの発現誘導は、自然免疫の原型と考えられている。今回同定できたマルピーギ管特異的な系統は、これまで未解明のまま残されていた自然免疫の原型の分子機構解明に手がかりを与えると期待できる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kurata, S.: "Recognition of infectious non-self and activation of immune responses by Peptidoglycan Recognition Protein (PGRP)-family members in Drosophila"Dev.Comp.Immunol.. 28. 89-95 (2004)
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[Publications] Yajima, M., Takada, M., Takahashi, N., Kikuchi, H., Natori, S., Oshima, Y., Kurata, S: "A newly established in vitro culture using transgenic Drosophila revealed functional coupling between the phospholipase A2-generated fatty acid cascade and lipopolysaccharide-dependent activation of the imd pathway in insect immunity."Biochem.J.. 371. 205-210 (2003)
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[Publications] 倉田祥一朗: "ショウジョウバエにおける病原体認識機構"分子細胞治療. 2. 598-604 (2003)