2002 Fiscal Year Annual Research Report
従来の概念にはない脂肪細胞の機能の解明-スカベンジ機能・貧食能と生体防御-
Project/Area Number |
14657585
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 助教授 (90241348)
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Keywords | スカベンジャー受容体 / CD36 / クリアランス / 脂肪細胞 / アディポサイトカイン / 肥満 / 糖尿病 |
Research Abstract |
スカベンジャー受容体(SR)は、主にマクロファージ系において変性リポタンパクのクリアランスを担うが、この処理機構が破綻をきたすとマクロファージの泡沫化を引き起こし、動脈硬化の要因となると考えられている。脂肪細胞は従来、エネルギー産生が主要な役割と考えられてきたが、この細胞でも酸化LDLはSRの一つ、CD36を介してクリアランスされることを我々は発見したので、これを契機に多角的視点から詳細な解析を行い、「ホメオスタシス維持におけるSRを介した脂肪細胞の新しい役割」について、一般化した概念を打ち立てようというのが本研究の目的である。初年度の本年度は、(1)高血糖患者に頻見されるAGE(糖化反応後期生成物)化タンパクの脂肪細胞でのクリアランスの有無、および、(2)酸化LDL取込み・分解が、生理学的、病態生理学的に脂肪細胞機能にどのような変化をもたらすのかを調べた。その結果、(1)種々の化学形をもったAGE-BSAのほとんどが脂肪細胞に取り込み・分解されること、このクリアランス機能に関与するSRはCD36で説明できること、および、(2)酸化LDLで処理した脂肪細胞では、アディポサイトカインを含むいくつかのサイトカインの発現に増減の変化が観察された。これらの事実は、糖尿病や動脈硬化における脂肪細胞の役割に新たな概念を提供するものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Kuniyasu, et al.: "CD36-mediated endocytic uptake of AGE in mouse 3T3-L1 and human subcutaneous adipocytes"FEBS Lett.. 537. 85-90 (2003)
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[Publications] H.Yoshikawa, et al.: "Photochemical identification of the binding region for (S)-semotiadil on sodium channels"Heterocycles. 59(2). 613-622 (2003)
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[Publications] A.Miyazaki, et al.: "Scavenger receptors that recognize advanced glycation end products"Trends Cardiovasc. Med.. 12(6). 258-262 (2002)
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[Publications] K.Kawahara, et al.: "Efficient identification of photolabeled amino acids by immuno-purification and mass spectrometry"Biochem.J.. 363(2). 223-232 (2002)
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[Publications] A.Kuniyasu, et al.: "Adipocytes recognize and degrade oxidized LDL through CD36"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 295(2). 319-323 (2002)
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[Publications] K.Kawahara, et al.: "Induction of CHOP and apoptosis by nitric oxide in p53-deficient microglial cells"FEBS Lett.. 506(2). 135-139 (2001)