2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14657590
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
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Keywords | 受容体 / HIV / gp41 / ペプチドチオエステル / 脂質膜 / リポソーム |
Research Abstract |
受容体機能の化学的解析、すなわちケミカルレセプトームを目指して本年度は水溶性受容体ミメティックスの開発、および受容体そのものの化学的合成を指向して次の諸点について検討を加えた。 まず、水溶性受容体ミメティックスに関してはHIVがその標的細胞に感染する際に利用するgp41蛋白質の動的超分子機構を参考にすることとした。即ち、gp41は、その分子内に存在する2つのhelix性の高い領域で分子内自己会合を起こし、6量体バンドルを形成する点である。2つの領域としてN36およびC34領域が取り上げられているが、いずれも水溶性が悪く、天然品を利用した6量体バンドルを直接水溶性受容体ミメティックスに展開するには無理があると考えられた。そこで、水溶性6量体の構築を目指し、特に会合体の溶媒接触面に存在するC34分子について、6量体の安定性、ならびに溶解性を考慮に入れ分子デザインを行った。その結果、天然品よりも6量体形成能力に優れ、かつ水溶性が著しく上昇したSC34EK分子の創製に成功した。このSC34EK分子は、N36分子と会合体を作らせることにより、今後水溶性受容体ミメティックスを作成するうえで基盤分子となるものと考えられる。 次に、受容体分子そのものの化学合成であるが、これについては、我々が従来研究を展開してきたCXCR4分子を題材として取り上げた。基本的合成戦略としては、ペプチドチオエステルフラグメントの作成とこれらフラグメントの脂質膜上での縮合反応が挙げられる。すでに、本年度は、必要とされるペプチドチオエステルフラグメントの合成をすべて完了した。さらに、予備実験レベルではあるが、これらフラグメントをリポソームに組み込み、ペプチド自身の自己会合能力を利用して脂質膜上でもペプチド合成が可能であることを明らかにした。今後は、この戦略の下、受容体の化学合成を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Otaka, et al.: "Artificial Remodeling of gp41-C34 Peptide Leads Effective HIV Fusion Inhibitor with Anti-HIV Activity"Angew. Chem. Int. Ed.. Vol.41. 2938-2940 (2002)
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[Publications] H.J.Lee, et al.: "Antiproliferative activity induced by the somatostatin analogue, TT-232 in human pancreatic cancer cells"Eur J. Cancer. Vol.11. 1526-1534 (2002)
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[Publications] S.Oishi, et al.: "Diastereoselective Synthesis of New Ψ[(E)-CH=CH]-and Ψ[(Z)-CH=CH]-type Alkene Dipeptide Isosteres by Organocopper Reagents and Application to Conformationally Restricted Cyclic RGD Peptidomimetics"J. Org. Chem.. Vol 67. 6162-6173 (2002)
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[Publications] R.Hosotani, et al.: "Trojan p16 peptide suppresses pancreatic cancer growth and prolongs survival in mice"Clin. Cancer Res.. Vol.8. 1271-1276 (2002)
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[Publications] R.Yanada, et al.: "Indium-mediated Atom-transfer Cyclization and Reductive Cyclization"Tetrahedron Lett.. Vol.43. 4584-4588 (2002)
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[Publications] M.Anzai, et al.: "Asymmetric Synthesis of β2,3-amino acids by InI-Pd(O)-promoted metalation and addition of chiral 2-vinylaziridines"Tetrahedron. Vol.58. 5231-5239 (2002)