2003 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質の新たな毒性指標としてのアポトーシス撹乱作用
Project/Area Number |
14657598
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
別府 正敏 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60114633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 和也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80251221)
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Keywords | 環境化学物質 / 内分泌撹乱化学物質 / 環境ホルモン / 細胞毒性指標 / アポトーシス / 細胞死 / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
1)初年度に構築したアポトーシス促進作用を検出するin vitro実験系(ヒトTリンパ球系細胞株Jurkatを用いる)を用いて、8種の環境化学物質やエストロゲン活性物質[bisphenol A(1nM〜10nM)、4-n-nonylphenol(0.1nM〜1μM)、4-tert-octylphenol(1nM〜10μM)、di-2-ethylhexyl phthalate(10pM〜1μM)、di-n-butyl phthalate(0.1nM〜1μM)、genistein(1nM〜10μM)、17β-estradiol(0.1pM〜10nM)およびdiethylstilbestrol(1pM〜10nM)]の作用を検討した。その結果、genisteinのみが高濃度(10μM)においてアポトーシス誘導作用を示し、他の化学物質には単独でのアポトーシス誘導作用は認められなかった。しかし、低濃度のアポトーシス誘導剤存在下では、誘導された弱いアポトーシスを促進(増強)する作用を示した。このメカニズムに関しては、17β-estradiolやdiethylstilbestrolにも弱いながらアポトーシス促進活性があったことから、部分的にはエストロゲン活性の寄与があると考えられた。 2)上記のような各種環境化学物質のアポトーシス促進作用が、細胞内情報伝達に重要な役割を果たしているタンパク質リン酸化反応を撹乱することにより生じている可能性を考え、プロテオーム解析の手法を利用して、細胞内全タンパク質のリン酸化・脱リン酸化を網羅的に検出し、化学物質の影響を解析することを試みた。その結果、細胞の全タンパク質をゲル電気泳動で展開した後、リン酸化タンパク質を緑色蛍光色素SYPRO-Rubyで染色し、全タンパク質を赤色蛍光色素Pro-Q Diamondで染色し、それぞれを蛍光レーザースキャナにて定量し解析する方法が有効であることがわかり、今後の詳細な検討へ向けての道筋をつけることができた。
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