2002 Fiscal Year Annual Research Report
進行悪性腫瘍治療に際し患者の選好を組み入れるための決断支援システムに関する予備研究
Project/Area Number |
14657605
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 弘 京都大学, 医学研究科, 講師 (90273515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 次矢 京都大学, 医学研究科, 教授 (50208930)
岡田 好一 京都大学, 医学研究科, 助手 (70241825)
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Keywords | 決断支援 / Analytic hierarchy process / 進行悪性腫瘍 / 患者の選好 / shared decision making |
Research Abstract |
Analytic hierarchy processを使った決断支援ソフトであるExpert Choice 2000を購入し、決断支援のプロトタイプを構築した。このプロトタイプでは、治療の目標を満足度の高い人生とし、それを達成するためのクライテリアとして、長生きをすること、苦痛の少ないこと、社会生活を行なえること、家族と伴に過ごせること、治療費を挙げた。 平成14年10月11日には第4回京大病院がん研究会において、このプロトタイプを使い、患者の選好に基づいた決断支援に関する発表を行なった。その場で幾つかの助言を得たと同時に、治療決定を患者に任せるべきではない、との強い反諭があり、"患者の選好に基づいた決定"という概念が、大学病院で悪性腫瘍の治療に直接携わっている医師の間でも必ずしも広まっていないことが確認された。 平成15年3月13日には、進行悪性腫瘍患者をケアした、またはケアしている方々に、グループインタビューを行なった。このグループインタビューは、治療の目標とそれを達成するために必要なクライテリアを、医療者側から見たものではなく、患者側から見たものを得るために行なった。この結果は現在分析中であるが、参加者の間で多くの同意を得ていたのが、"今まで通りの生活を続けることができる"ことが重要である、という意見であった。これを、治療の目標とすべきか、目標達成のためのクライテリアとすべきか、今後検討する予定である。 このグループインタビューでは、患者をケアした家族が、患者本人の立場に立ってその望みを考え、発言できたか否かに疑問が残ったため、次年度は、可能であれば患者本人のグループインタビューを行ないたいと考えている。また、ホスピス医と共同で更にクライテリアについて検討をする予定である。更に、幾つかの疾患について疾患特異的決断支援プログラムを作成する予定である。
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Research Products
(2 results)