2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳特異的発現新規スルホトランスフェラーゼのアンチセンスmRNA法を用いた機能解析
Project/Area Number |
14657613
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 清 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80189133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 美樹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (10196488)
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Keywords | スルホトランスフェラーゼ / アデノウイルスベクター / 脳特異的発現 / アンチセンスRNA / RNAi / マウス |
Research Abstract |
我々は、マウスおよびヒトとの脳において特異的に発現しているが、その機能が不明な新規スルホトランスフェラーゼを見出した。本研究の目的は脳における本酵素の機能を解明することであり、その実験手法としてアデノウイルスベクターを用い、アンチセンスmRNAを発現させる。このウイルスを用い脳に導入して一過性に酵素の発現を抑え、マウスにおける本酵素の機能解析を行い、ヒトにおける生理機能を予測することである。 本年度の研究は、単離したマウスあるいはヒトST5cDNAをバクテリアに発現させ、リコンビナントタンパクを単離精製した。この精製タンパクを用いて特異性の高い抗体を作成した。現在組織染色にて、脳のどのような部位あるいは細胞にST5が発現しているのかの検討を行っている。また、基質となる化合物は、高い基質濃度においては、多少の触媒活性をしますことが判明したが、特性の高い基質はまだ見いだせていない。一方、アデノウイルスベクターを用いたアンチセンスmRNAの発現については、長いアンチセンスRNAを発現すると細胞死を起こすため、本研究では現在注目されているRNAi手法を用いることにした。RNAiを効率よく発現させるためには、RNAポリメラーゼIII依存性のU6 snRNAあるいはRNA H1のプロモーターを用いることが好ましい。そこでヒトU6snRNAあるいはマウスRNA H1のプロモーターをそれぞれのゲノムDNAよりPCRによって単離し、これをアデノウイルスターゲットベクターに組み込むことにより、RNAi発現アデノウイルスベクターを開発した。現在、マウスRNA H1のプロモーターの下流に細胞内でRNAiを生成する様に工夫されたマウス,ST5A断片を組み込み、ST5A-RNAi発現アデノウイルスベクターを作成中である。 来年度は、ST5A-RNAi発現アデノウイルスを培養細胞に発現させ、ST5Aの発現を抑えることを確認した後に、マウスにウイルスを投与しST5Aの機能の解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] W.Homma, M.Shimada, H.Sasano, S, Ozawa, M.Miyata, K.Nagata, Y.Yamazoe: "Phenol sulfotransterase, ST1A3, as the main enzyme chatalyzing sulfation of triglitazone in human liver"Drug Metab. Dispos. 30. 944-949 (2002)
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[Publications] M.Shimada, Y.Kamiyama, A.Sato, W.Honma, K.Nagata, Y.Yamazoe: "A hydroxysteroid sulfortransferase, St2b2, in a skin cholesterol sulfotransterase in mice"J. Biolchem. 131. 167-169 (2002)