2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本人緑内障の新しい高頻度遺伝子異常とその早期診断
Project/Area Number |
14657626
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
服部 幸夫 山口大学, 医学部, 教授 (80144955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 安啓 山口大学, 医学部, 講師 (50243671)
鈴木 亮 産業医学総合研究所, 主任研究官 (50163027)
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Keywords | ミオシリン遺伝子 / プロモーター / transient expression / 多型性 / 緑内障 |
Research Abstract |
1.方法:原発性開放隅角緑内障の患者では、患者のMYOC遺伝子プロモーター部の-153T→C多型が有意に見られる。この多型がMYOC遺伝子の発現に及ぼす影響を見るために、-153Tあるいは-153Cを有するプロモーターを発現ベクターにつなぎ、Cos-7にtransfectionさせた。さらに、Cos-7でのtransient expressionの量をLuciferaseアッセイにて測定した。また、MYOC遺伝子プロモーターの160-200塩基上流にGT repeat数の違い(n=11,12,13)(microsatellite)が存在するために、-153の多型とGT repeatの回数の関係も含めて検討した。 2.結果:発現ベクターに組み込まれたDNA断片の、GT repeat回数と-153T/Cの構成は、11-T,11-C,12-T,12-C,13-Tの5種類であった。それぞれのCos cellにおけるtransient expressionの量は、それぞれ0.66±0.21x10^<-3>,0.31±0.06x10^<-3>,1.23±0.15x10^<-3>,0,1.27±0.73x10^<-3>であった。 以上の結果より、次のことが明らかとなった。(1)-153C多型では-153T(wild)より明らかに発現量が低い、(2)-153T(wild)であってもGT repeat数が少ない、つまり短いほど発現が低い、(3)特に、-153C多型とGT repeat 12回の連鎖の場合は、発現が全く見られない。 3.結論:-153C多型がMYOC遺伝子の発現を抑制していることが裏付けられただけでなく、-153T(wild)であっても、GT repeat(microsatellite)が短いとMYOC遺伝子の発現が抑制されることが判明した。
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