2003 Fiscal Year Annual Research Report
尿中ジアセチルポリアミンによるがんの活動度の判定:性能評価と生化学的基礎の解明
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14657630
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
平松 恭子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (80181189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川喜田 正夫 工学院大学, 工学部・応用化学科・生命工学研究室, 教授 (00012740)
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Keywords | Plyamines / 腫瘍マーカー / ELISA / 大腸癌 / CEA |
Research Abstract |
ジアセチルスペルミンは、従来の尿中ポリアミン分析においては検出することができなかった成分であったため、我々が独自の検出方法を用いて発見するまでは、その存在さえあまり知られていなかった。我々は、HPLCによる精密詳細な分析によって微量尿中成分であるジアセチルスペルミンの動きを正確に捉え、癌の診断および予後予測の指標としての有用性を明らかにした。そして、さらに臨床検査への適用を図るために、ジアセチルスペルミン特異抗体の開発に着手し、妨害ポリアミン成分との交差性をほとんど示さない、極めて高度の選択性を示す抗体の作成に成功し、酵素免疫測定(ELISA)法による簡便な測定系を開発することに成功した。ジアセチルスペルミンの尿中レベルは、腎がん、睾丸腫瘍、前立腺がんにおいて顕著に上昇するほか、乳がん、大腸がん患者でも著明に上昇する。特に早期大腸がんに対する感度は高く(stage O, stage Iで60%)、便潜血検査に匹敵する高感度を示した。進行がんを含めた陽性率は約75%を示し、CEAの陽性率38%をはるかに凌駕した。進行がんを含めた陽性率は約75%を示し、CEAの陽性率38%をはるかに凌駕した。本研究は各種の、特に早期がんに対する検出感度を明らかにし、汎用性を利用したスクリーニングへの展開を図ることを通じて、早期発見による治癒率の向上に貢献することが見込まれるという結果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hamaoki M, Hiramatsu K, Suzuki S, Nagata A, Kawakita M.: "Two enzyme linked immunosorbent assay (ELISA) systems for n(1),n(8)-diacetylspermidine and n(1),n(12)-diacetylspermine using monoclonal antibodies."J Biochem.. 132(5). 783-788 (2002)
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[Publications] Kobayashi M, Samejima K, Hiramatsu K, Kawakita M.: "Mass Spectrometric Separation and Determination of N^1,N^<12>-Diacatylspermine in the Urine of Cancer Patient"Biol.Pharm.Bull.. 25(3). 372-374 (2002)
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[Publications] 平松恭子, 川喜田正夫, 他: "尿中ジアセチルポリアミンと悪性腫瘍"臨床検査. vol.46 No.1. 90-94 (2002)
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[Publications] 川喜田正夫, 平松恭子: "ポリアミン"臨床医. vol.28 増刊号. 1323-1325 (2002)
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[Publications] 川喜田正夫, 平松恭子: "尿中ジアセチルスペルミンの臨床的意義"Medical Technology. Vol.32. 346-347 (2004)
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[Publications] 川喜田正夫, 平松恭子, 他: "尿中ジアセチルポリアミンとその臨床的意義"臨床病理. Vol.52(印刷中). (2004)