2002 Fiscal Year Annual Research Report
言語発達とコミュニケーション―「香り」が及ぼす脳への影響を活用した言語訓練―
Project/Area Number |
14657635
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
竹田 千佐子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10148273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 敏郎 仁愛大学, 人間学部, 講師 (00340034)
吉田 和典 福井医科大学, 医学部医学科, 助教授 (50143938)
長谷川 智子 福井医科大学, 医学部看護学科, 講師 (60303369)
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Keywords | 足浴 / ラベンダー / 脳波 / 脳マップ / リラックス / 睡眠 |
Research Abstract |
本年度は、ラベンダーオイルを用いた温足浴の効果について、中枢神経系・自律神経系からの検証に加え、主観的な評価も行ったが、ここでは中枢神経系評価に絞って報告する。 中枢神経系評価は、国際脳波学会連合標準電極配置法に基づき計19ヶ所で測定し、脳波解析プログラム(FOCUS/QP-211A)により解析した。また、温足浴中・温足浴後安静の脳波の周波数解析についてはATAMAP II(KISSEI COMTEC)により、α波をα_1.α_2、θ波、δ波に分け各周波数帯域のパワー値を算出し、周波数マップを作成した。 その結果、「香りなし」では、温足浴中の右後頭部から頭頂部にかけてα_1帯域の成分が見られた。またα_2帯域の成分が右後頭部に優位に見られた。その後、α_2帯域の成分が継続して右後頭部優位に見られたが、α_1帯域の成分のパワー値と範囲は時間の経過とともに減少した。 「香りあり」では、α_1帯域の成分は後頭部に一過性に見られ、α_2帯域の成分は後頭部から頭頂部かけて広く見られ、パワー値は、「香りなし」に比較し高く見られた。その後、右後頭部から頭頂部や前頭部へα_2帯域の成分の広がりが見られた。温足浴中を通してα_1帯域であるslowα波の成分のパワー値は、「香りなし」の方が「香りあり」に比較しわずかに高く見られたが、「香りなし」に比べα_2帯域の成分が「香りあり」の方がより広範囲でパワー値が高く見られた。 リラックスという観点から見ると、ラベンダーオイルの付加による比較で、「香りなし」ではα波帯域の成分が右後頭部に限局されて見られたのに対し、「香りあり」では後頭部全体に広がりがあったことから、香りの刺激によりリラックス情報が後頭部全般に伝播された結果であろうと推測される。 また、睡眠段階においては、温足浴中・温足浴後安静ともに、「香りあり」の方がより深い睡眠段階に至り、睡眠が持続する人が多かった。
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