2004 Fiscal Year Annual Research Report
情報開示に対応した地域看護職の介入を明確にする質的評価指標の開発
Project/Area Number |
14657645
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
長江 弘子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10265770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 昌子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (60236982)
宮崎 紀枝 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (50349172)
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Keywords | 保健師活動 / 組織変革 / 記録改善 / 他職種協働 / 地域連携 / 専門性 / 行政文書 / 情報管理 |
Research Abstract |
本年度は、本研究で提案した「Plan/Do/Seeで書く保健師記録様式と5つのステップ」を用いて、事例展開をし、ピアレビューしながら学習するスタイルを試みた。その目的は2つあり、1つは記録研修公開セミナーという形で保健師の自主的な参加を呼びかけ、記録を活用した保健師活動の振り返りと相互に学びあう新しい現任教育スタイルの提案に示唆を得ることである。もう1点は、演習で記載した記録例を保健師の介入指標のデータベースとしての基礎資料を作成し、保健師活動における介入分類の枠組みを作成することであった。 保健師記録研修の公開セミナーを8月29日(土)に計画し、研修参加者は昨年までに演習を含めた記録研修を行った自治体の保健師を対象に募集した。その結果、最終的な参加者は12名であった。参加者が少ない主な理由は、研修参加意志が保健師の自己研鑽や個人活動にゆだねられ、公的な支援を受けた学習ではないため動議づけが弱かったためと考えられた。そのため、公開セミナーでは、記録のデータ収集は記載者個人が特定されるため断念し、参加者の意欲や学習ニーズを満たすことを焦点にピアレビューという形で具体的な記録の書き方学習を実施した。そこで、下半期にかけて計画を変更し、保健師記録の改善に関して2005年4月施行を目指している自治体K市と協働し、組織全体で取り組む記録改善と記録の質を高める保健師の継続教育プログラム作成を目的とした。学習方法は新人、若手保健師の学習グループの支援を行い、そのプロセスを記述することで上記、研究目的を達成することとした。 その結果、数回の学習会を経過した段階であるが、保健師の主幹レベルの立場で記録改善のための組織の指示系統を根回しする保健師と2年目の若手保健師が学習会の運営を中心に行いながら、学習会で「場」共有し組織のトップと第一線の保健師が学習の意義を認識するプロセスが見出された。組織で共通理解し、記録を重視する認識が高まることで、学習の意義が高まり業務と記録の関連の視点が生まれること、さらに、保健師活動の思考過程もその実践活動の振り返りを基本としながら暗黙知を形式知にする学習会という「場の提供」と訓練が学習者にとって真に意味があるということが示唆された。
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Research Products
(1 results)