2002 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人保健施設における排尿誘導のイノベーション普及モデルの実証的研究
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14657660
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
石野 レイ子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (60321220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 利雄 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90290543)
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Keywords | 老人保健福祉施設 / 排尿誘導 / イノベーション普及モデル / オムツはずし / 人権尊重 / 高齢者の生活の質 |
Research Abstract |
本年度は、1)研究遂行のための紙おむつに関する資料収集、2)老人保健施設におけるおむつ着用者の排泄ケアの実態調査のための情報収集と文献検討、および調査用紙の作成と調査協力依頼施設との交渉を中心に研究を行った. 1)については、紙おむつ製造メーカの会員を中心に組織された社団法人日本衛生材料工業連合会を中心に収集した。わが国では大人用紙おむつの発売が1983年で、10年後の1994年にはパンツ型紙おむつが発売され、本格的高齢社会に対応して高齢者の排泄自立促進をテーマに紙おむつ製造メーカは急速な発展を遂げている。中でも長時間使用可能な高分子吸水材の使用で、高い吸水性と保水性に富んだ紙おむつの開発が進み飛躍的な性能の向上がはかられた。形態としては、フラット型からテープ型へ、そしてパンツ型へと下着感覚で被介護者自らが装着可能な製品として、高齢者の人格ある自立への意欲を刺激する高齢社会に対応した紙おむつとして導入促進が図られている。急性毒性、皮膚刺激性、接触感作性、膣粘膜刺激性などの試験結果で安全性が確認され、使用後は一般廃棄物として全国80%以上の自治体で可燃ごみ焼却処理され、ごみの分別区分の細分化が進む中、今後の動向に注目する必要がある。2)については、テーマに沿った今後の研究推進上のネットワークと協力関係を得るための社会的な情報収集を目的として,オムツ減らし市民委員会による設立シンポジウムに参加した.安易な紙オムツの使用は,人権的・医学的側面からだけでなく,入院・入所している患者の自立に及ぼす影響や,紙オムツ使用による経済・環境的側面からも,問題解決に向けた取り組みの必要性とその関心が高い. 老人保健施設における排泄ケアの実態と介護・看護職の排泄ケアに関する認識調査については、調査協力を依頼できる施設として二施設を訪問して研究目的を説明し,研究趣旨の理解と調査に対する快諾を得た.調査内容についてはプレテストの結果から調査内容を修正し、施設での調査可能な時期にあわせて本調査実施に向けて発送準備を整えている。また、ケアの受けての個々人の排泄状態をアセスメントする膀胱容量測定器のブラッダースキャンについては、本調査に向けてプレテスト実施中である。
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