2002 Fiscal Year Annual Research Report
医療的ケアを必要とする長期入院患児の在宅ケア支援システムモデルの構築
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14657667
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
鈴木 真知子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部・看護学科, 教授 (80179259)
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Keywords | 医療的ケア / 長期入院児 / 在宅支援 / 支援システムモデル |
Research Abstract |
1.研究目的:医療的ケアを必要とする長期入院中の子どもとその親・家族のQOL向上を目指し、在宅療養の推進を図るために、呼吸器の子どもに着目し、施設を含む医療機関、地域との壁を越えた連携や円滑なコミュニケーションが行える在宅支援のための体制づくりを目的とする。 2.今年度の実施結果 (1)文献検討 研究テーマに関連ある用語をキーワードとし、1986年から2002年までに報告された6532文献の内、143文献を抽出し、子どもの在宅介護支援環境を整備する上での課題を明らかにする目的で検討した。その結果、下記のことが明らかになった。 (1)年次を追うに従って医療的ケアを必要とする子どもとその親・家族への在宅支援に関する文献数は、増加傾向にあった。(2)外泊・外出を在宅療養への移行段階と捉え、技術指導の方策をテーマに検討したものが多かった。しかし、親・家族は技術的な指導だけではなく、退院後の生活を踏まえた、多面的な内容の退院指導を求めている。(3)医療的ケアを必要とする子どもの在宅療養には、子どもへの影響のみならず、親・家族への影響を考慮した支援を考える必要がある。(4)子どもの成長・発達と共に必要とされる支援は、変化していくことを踏まえ、長期的な展望に立った子どもを対象とする在宅療養システムの確立と利用拡大、地域との具体的な連携や在宅看護を視野に入れた外来看護のあり方などを考える必要がある。 (2)地域全体における在宅ケア支援のシステム化に向けた検討会の企画、運営 2002年4月から2003年3月までの間に広島県内で、多様な職種からなる呼吸器の子どもの在宅ケア支援者と介護者を対象とし、(1)講演会(2)勉強会(3)情報提供や仲間作りの場の設定、のそれぞれを計3回と計4回の事例検討会を開催した。また、随時対象となる入院中や在宅中の子どもを訪問し、問題や課題の明確化に努めた。 それらにより、効果的な在宅ケア支援システムの要因を抽出した。 次年度では、当初の計画どおり、検討会を継続しながら在宅ケア支援システムモデルの試案を作成する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田川紀美子, 種吉啓子, 鈴木真知子(研究協力員との共同執筆): "医療的ケアを必要とする子どもの在宅支援に関する文献検討"日本赤十字広島看護大学紀要. 第3巻. 61-68 (2003)
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[Publications] 鈴木, 真知子, 筒井, 真優美編: "子どもの在宅看護/小児看護"日綜研. 220 (2003)