2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳波を使ってイメージされた運動をコンピュータ上に再現する
Project/Area Number |
14658009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (40240759)
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Keywords | Brain Computer Interface / 脳波 / イメージ / 予告反応課題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)」という概念に基づいて、脳波の中に含まれる運動関連電位を抽出し、コンピュータ画面上にシミュレートしたロボットにイメージした運動を再現させるという事である。ブレイン・コンピュータ・インターフェースに関する研究は、主に体幹・四肢を動かすことのできなくなった脊椎損傷患者のために行われている。しかし、イメージトレーニングの熟練者が運動をイメージした場合、運動前野や体性感覚野などの運動と関連する大脳の領域が活動することが脳波、PET、fMRIの研究などから示されており、イメージによって生じた運動関連電位を脳波として捉えることができれば、コンピュータ画面上にシミュレートしたロボットにイメージした運動を再現させることが可能となる。 本年度は、事象関連電位の中から運動イメージと関連する電位をより効率的に取り出すための測定パラダイムの開発を行った。測定パラダイムでは予告反応課題を用いた時に脳波がより効率的に測定できることが示された。予告反応課題では、予告刺激(S1)後3秒後に反応刺激(S2)を呈示し、このS2に対してできるだけ早く運動反応(もしくは運動をイメージする)を行うというパラダイムを用いた。このパラダイムを用いて、運動イメージと実際に運動を行う場合にどのような脳波上の差が生じるかを検討した結果、運動野の活動を反映していると考えられる中心部(Central Area)から導出した脳波は、実際に運動を行った場合と近い振幅を示し、特に前頭部付近では両測定条件での電位の相関値が高くなった。また、同時にコンピュータ画面上にロボットの腕をシミュレーションするシステムを作成した。次年度は、得られた脳波を独立成分分析にかけ、取り出した運動成分をもとにコンピュータ上にシミュレーションされたロボットを動かすことを試みる。
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[Publications] Yasunori Kotani, et al.: "Functional MRI study of the stimulus-preceding negativity (SPN)"Psychophysiology. 40 Suppl.1. S53 (2003)
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[Publications] Yoshimi Ohgami, Yasunori Kotani, et al.: "The dipole modeling of the stimulus-preceding negativity based on fMRI results"Psychophysiology. 40 Suppl.1. S65 (2003)
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[Publications] 小谷泰則: "「脳波を指標として」、日本スポーツ心理学会第30回記念大会シンポジウム「"あがり"の再検討:生理・心理・運動の新たな指標の活用」"日本スポーツ心理学会第30回記念大会研究発表抄録. 7-8 (2003)
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[Publications] 小谷泰則: "Feedback情報と「やる気」について-機能的磁気共鳴映像(fMRI)からみたFeedback情報による脳活動-"生理心理と精神生理学. 21(2). 170 (2003)
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[Publications] 小谷泰則: "刺激専攻陰性電位(SPN)発生源に関する研究(1)-fMRIを用いて-"生理心理と精神生理学. 21(2). 170 (2003)
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[Publications] 大上淑美, 小谷泰則: "刺激専攻陰性電位(SPN)発生源に関する研究(2)-Dipoleを用いて-"生理心理と精神生理学. 21(2). 170 (2003)