2004 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲な手法を用いた生体評価パラメータの総合と応用化
Project/Area Number |
14658030
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
岡本 秀己 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (10159329)
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Keywords | 骨密度 / 高齢者 / 骨折 / ADL / 介護度 |
Research Abstract |
【目的】本研究では高齢化が進むなか、寝たきりや痴呆の予防を目的として、非侵襲で非観血な方法で測定する骨密度が骨折危険度・身体活動低下度の予測指標となり得る可能性を探るため、身体状況の異なる施設の高齢者の骨密度およびADL,介護度などの身体状況を詳細に検討した. 【方法】老人福祉センターに通所し、グランドゴルフ部に所属している62〜86歳の47名、介護老人福祉施設に入所している71〜102歳の88名を対象とした。骨密度は超音波骨密度測定機InsightA1000(Lunar社)による踵骨部位のStiffnesss値および年齢補正を行なった同年比較%値を骨密度指標とした。ADL、生活習慣、病歴等問診表による調査を実施した。特養では要介護度、食事形態、障害老人日常生活自立度、痴呆性老人日常生活自立度、骨折等についてのパラメーターを調査した。 【結果および考察】AD上と骨密度間に相関関係が見られ(r=0.53、p<0.001)、ADLが高いほど骨密度が高かった。要介護度が高いほど骨密度が低く(r=-0.34、p<0.002)、食事形態が軟食になるほど骨密度は低くなった(r=-0.317、p<0.005)。歩行状態(r=-0.531、p<0.001)、障害老人日常生活自立度(r=-0.526、p<0.001)でも自立から寝たきりへと状態が進むにつれて骨密度が低下した。痴呆性老人目常生活自立度、骨折経験、骨折回数、骨折時期の違いによる骨密度には有意な相関はなかった。 以上のことより骨密度は現時点での身体活動度をよく反映し、障害老人日常生活自立度や歩行状態についても相関があったことから、骨密度が身体活動低下度の指標、寝たきりの予測指標となる可能性が示唆された。
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