2002 Fiscal Year Annual Research Report
児童・生徒に科学の本質を理解させる学習指導モデルの開発
Project/Area Number |
14658047
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角屋 重樹 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80136027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 欽也 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (70325132)
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Keywords | 科学の暫定性 / 科学の実証性 / 科学の創造性 / 観察と推論 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学習指導レベルでの学習者に科学の特質を理解させる学習指導モデルを開発することである。このため、本年度は、科学の特質に対する児童・生徒の理解の状態を計測する質問紙の開発を行った。具体的には、以下のような研究を行った。 (1)米国や英国などの先行研究を数多く収集し、科学の特質の理解の状態を計測するために必要な構成概念の枠組みについて検討を行った。その結果、調査の対象となる年齢層に応じて多くの構成概念が用いられていた。しかし、児童・生徒に対して行う調査では、すべての構成概念を用いることは困難である。このため、先行研究の結果等にもとづいて、児童・生徒の科学の特質の理解の状態計測に用いる構成概念として『暫定性』『実証性』『創造性』『観察と推論』という4つを抽出した。そして、これら児童・生徒の科学の特質の理解の状態計測に適切と考えられる構成概念にもとづいて質問紙項目の作成を行った。なお、本質問紙は5件法に一部自由記述を併用する形式とした。 (2)上述の、科学の特質の理解の状態を計測するための質問紙を用いて調査を実施した。具体的には、小学校の実践者の協力の下に予備的調査を実施し、その妥当性と信頼性について検討を行うとともに、この予備的調査の結果にもとづいて質問紙の改良を行った。なお、本質問紙は、中学校の生徒に対しても用いることが可能なものである。現在、このようにして開発した質問紙を用いて日本の児童・生徒の科学の特質に対する理解の状態を計測するための本調査を実施中である。
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