2004 Fiscal Year Annual Research Report
音楽と絵画を結びつける新教材の開発と基礎理論の整備
Project/Area Number |
14658065
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岡田 匡史 信州大学, 教育学部, 助教授 (30194369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 卓郎 信州大学, 教育学部, 助教授 (20293491)
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Keywords | 音楽 / 絵画 / 鑑賞教育 / 数象徴 / フィギュラリスム / 図像学 |
Research Abstract |
音楽と絵画を結びつける新教材を開発し,かつ,そうした教材開発を進める上での基礎理論を確りと整備する,という2つのテーマに,3年間,岡田と中島は取り組んできた。音楽と絵画の相互連関的な面については,両範疇に共に認めうる共通的な表現方略という視点から,前年度より継続の諸主題:<反復(音と[点のような]造形単位が示す様態)>,<直線と曲線,または,波線とジグザグ線(音符の動きとストロークなどの線が示す様態)>,<上昇と下降(旋律の上下展開と旋回的な構図[マニエリスム,バロックの一特質]が示す様態)>,<遠近法と音量の増減(音楽と絵における遠近的・空間的な描写が示す様態)>をさらに調べ,そこからの教材開発を模索した。また,本年度は,そうした表現特性上の相似性を踏まえることで教材開発の可能性を探るだけに留まらず,音楽で表されし内容と絵に表されし内容とが,その解釈・読み取りという面で実に密接に関わり合うという面にも着眼した。具体的には,絵画における図像学的読解を,作曲で数象徴を使うことや,形像的隠喩を備えたり人・出来事を暗示・喚起したりする音型を使うことなどの,音楽におけるフィギュラリスティックなやり方に関連づけ,表現教育よりも鑑賞教育によりシフトした研究ならびに教材開発を進めることとした。その成果は論文に発表し,レクチャー・コンサート(《ピアノで語る色とりどりの世界 シューベルトの楽しみ》を中島が企画・開催[11/23])にも生かした。加うるに,本研究を基とした音楽と絵画を横断的に論じる試みは,岡田と中島により音楽・美術両分野で共同開講している1年生用科目『芸術教育総論』の一角を占めたりもしている。
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Research Products
(1 results)