2003 Fiscal Year Annual Research Report
GISを利用した危険物道路輸送リスクアセスメントシステムの開発
Project/Area Number |
14658118
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
三宅 淳巳 横浜国立大学, 大学院・工学研究院・機能の創生部門, 助教授 (60174140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 泰資 横浜国立大学, 大学院・工学研究院・機能の創生部門, 助教授 (10240764)
小川 輝繁 横浜国立大学, 大学院・工学研究院・機能の創生部門, 教授 (50017935)
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Keywords | 危険物 / 道路輸送 / リスクアセスメント / GIS / 爆風 / 薬傷 |
Research Abstract |
危険物における道路輸送中の事故は人命や車両,周辺構造物への被害,長時間の道路閉鎖など都市機能に大きな影響を与える。道路輸送による利便性と都市の安全性を確保するためにはリスクアセスメントが有効である。しかし道路輸送におけるリスクアセスメントは,リスク源が連続的に動くこと,さらに都市の様々な属性を同時に考慮する必要性等による困難性を有す。そこで本研究では地理情報システム(GIS:Geographical Information System)を用いた危険物道路輸送におけるリスクアセスメント手法の検討を行った。本研究では化学物質の火災,爆発事故における影響,被害推定に用いられるシミュレーションコード(SAFER System,TRACE ver.8.4)とGISシステム(ESRI,ARC-GIS)を統合することにより,事故時に想定される影響,特に爆風圧による人体や構造物に対する被害や,内容物の飛散による人体への被害の評価,およびそれらの視覚化手法の検討を行った。得られた結論は以下の通りである (1)被害量の精度は用いる計算式に依存するが,モデル式に基づいた影響評価とGISを組み合わせることで,都市災害におけるリスクを視覚的に表現可能である。 (2)首都高速道路における過酸化水素タンク車爆発事故を例に,本研究で構築したシステムによる予測値と実際の被害状況を比較した結果,両者は良好な一致を示した。 (3)都市部における危険物車両事故における被害を正確に算出するためには爆風や飛散物の3次元的な影響を考慮する必要がある。 本研究により,道路管理者,警察,消防機関等にとって,災害発生時における迅速な対応策の検討が可能となり,事故時の対策提言,緊急避難方法,代替ルートの選択,決定に関する方法論情報の提供が可能となり,社会リスクの低減に大きく貢献するものと考えられる。
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