2002 Fiscal Year Annual Research Report
パルス変調ICPと固体の化学的相互作用を活用したセラミックス材料の高機能化
Project/Area Number |
14658135
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
石垣 隆正 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (40343842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 直樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (60251617)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 紫外発光体 / 水素ドーピング / 高周波熱プラズマ / パルス変調発生 / プラズマプロセッシング |
Research Abstract |
研究代表者らが新しく開発したパルス変調高周波熱プラズマ〔PM-ICP〕は、従来にない特異な反応場を提供する。PM-ICPの重要な特徴として、通常高温熱源として利用される熱プラズマの化学的側面が顕在化されることが見いだされた。すなわち、水素ラジカルのように高化学活性な化学種を高濃度に発生するプラズマ源として働く。このプラズマ源を材料プロセスに応用する第一歩として、酸化亜鉛セラミックスへのプラズマ処理を行い、プラズマ特性と酸化亜鉛の発光特性の関係を調べ、高効率紫外発光デバイスへの応用に資することをめざした。アルゴン-水素ICPの下流部に酸化亜鉛試料をセットし、連続発生モードとパルス変調モードによるプラズマ照射を試みた。多結晶ZnOへプラズ照射すると、未処理試料で可視域に見られる格子欠陥由来の発光(波長530nm付近の幅広のピーク)は消失し、375nmの紫外発光強度が増大した。ICPの発生パラメータのうち、プラズマの非平衡性、高温部の径・長さ、プラズマの流速を変化させる重要なパラメータである発生圧力の変化と、試料の設置位置(プラズマ高温部からの距離)の変化による発光特性(フォトルミネッセンス)に対する影響を調べ、最適位置を見いだした。パルス変調プラズマ照射照射により、未処理試料と比較して15倍以上の紫外発光強度が実現され、大幅な発光効率の向上が見られた。この紫外発光には、表面から100nm程度の深さにとけ込んだ数十ppmの水素が影響していると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大橋直樹, 石垣隆正, 岡田展宏, 坂口勲, 関口隆史, 羽田肇: "Effect of Hydrogen Doping on UV Emission Spectra of Various Types of ZnO"Applied Physics Letters. 80巻16号. 2869-2871 (2002)
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[Publications] 大橋直樹, 石垣隆正, 岡田展宏, 田口広之, 菱田俊一, 坂口勲: "Passivation of active recombination centers in ZnO by hydrogen doping"Journal of Applied Physics. (印刷中).
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[Publications] K.C.Paul, 石垣隆正, J.Mostaghimi, 作田忠裕: "Nonequilibrated Situations of Pulse Modulated Ar-H_2 and Ar-N_2 Themal Plasmas at Atmospheric Pressure"Journal of Applied Physics. (印刷中).
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[Publications] 石垣隆正, 大橋直樹, 羽田肇, 作田忠裕: "パルス変調高周波誘導プラズマの発生と材料プロセスへの応用"材料の科学と工学. 40巻1号. 2-6 (2003)