2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14658137
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石田 昭男 新潟大学, 理学部, 教授 (30108013)
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Keywords | 核融合プラズマ / 2磁気流体モデル / 平衡 / シアのあるトロイダル流 / シアのあるポロイダル流 / 楕円型・双曲型遷移条件 / 2流体効果 |
Research Abstract |
14年度の研究では、均一密度の2流体モデルを用いて軸対称平衡を解析した。イオン圧力勾配ドリフトと電場ドリフトとの比を表す2流体効果指数を導入して、物理量が変化する特性長が小さくなるほど、ベータ値が高くなるほど、イオンドリフト速度が反磁性ドリフト速度に近くなるほど2流体効果が重要になることを見出した。これは閉じ込め改善モードであるHモードや内部熱障壁では2流体効果が無視し得ないことを意味している。この結果を受けて本年度の研究では、均一密度の仮定を緩めることが最も重要な次のステップであると判断して、不均一密度でかつ流れのある2磁気流体の軸対称平衡の定式化を実施し、新しい知見を得た。また、初歩的な数値解析と新しい差分法の開発を行った。 平衡状態において散逸が重要でないとき、各成分流体のエントロピー、一般化エンタルピー、ポロイダル流束の流れ関数は、一般化運動量の回転(渦)に関する面関数Ψ_α(α=e,i)の任意関数として表され、平衡方程式は電子とイオン流体の面関数Ψ_e、とΨ_iの連立2階偏微分方程式に帰着する。イオン流体の圧縮性に起因して、平衡方程式が楕円型となるのはイオンのポロイダル流速が音速より遅い場合に限られる。これは磁場のない極限への接続性がよく、従来の1流体モデルの結果と異なる新しい成果である。第13回土岐国際会議(03年12月)に発表され、プロシーデングへの掲載が決定された。高ベータ実験では中性粒子ビーム入射は不可欠で、入射に伴う大きなトロイダル流が観測されているが、現在のところトカマクを含めて精度よいポロイダル流の計測がなされていない。今後の実験との比較に期待している。また、1次元平衡の数値解析を実行し、密度勾配、温度勾配、シアのあるトロイダル流とポロイダル流のある平衡解が得られ始めた。さらに、2次元数値解析を高精度・高効率に行うことを目指して、4次精度の有限差分法を開発した。
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