2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658146
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (80158039)
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Keywords | セラミックス / 中性子照射損傷 / 環状構造 / ネットワーク構造 / 窒化ケイ素 / 転位ループ |
Research Abstract |
本研究では、結晶構造が環状構造あるいはネットワーク構造からなり、構造用に比較的大きな空洞をもつ化合物の中性子照射挙動及び照射欠陥の回復過程を、実際に中性子照射した物質について高分解能電子顕微鏡観察、ラマン分光法、X線回折を用いて検討することを目的としている。 本年度は、高分解能電子顕微鏡を用いて、SiN_4四面体が6員環を形成しているベータ型窒化ケイ素に中性子照射により導入された欠陥の局部原子配列構造の解析を主として行った。窒化ケイ素を高速炉にて、2.8x10^<26>n/m^2 (E_n>0.1MeV)のフルエンス、照射温度520℃で中性子照射した。この試料のスウェリングは約0.2%(長さ)であり、同条件で照射したアルミナや窒化アルミニウムの1/5程度であり、また、炭化ケイ素と同程度であった。高分解能電子顕微鏡観察の結果、複数の格子間型転位ループが形成されていることが明らかとなった。一つは窒化ケイ素の(001)結晶面に挿入されており、また、別の欠陥は(011)面に挿入された格子間原子型であることが分かった。さらに、電子顕微鏡像に対応する結晶モデルを明らかにすることができた。前者の場合、1層のSiN_4四面体層が、6員環相互の連結部分に形成され、後者の場合は、1層のSiN_4四面体層が、6員環を貫くように形成されていることで、よく解釈できた。さらに、これら2種の格子間型転位ループは、相互に連結した構造をとり得ることが観察され、その場合、両者の転位のバーガースベクトルが等しいことを明らかにした。また、その連結部分の局所原子配列を推定することができた。 さらに、SiC_4四面体が最密充填構造をとる炭化ケイ素について、核変換ヘリウムの放出挙動と、ヘリウムバブル形成を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yudi Pramono, M.Akiyoshi, T.Yano: "Microstructure and Helium Release Behavior of Neutron-Irradiated SiC Containing B_4C"J.Plasma and Fusion Res.SERIES. 5. 561-564 (2002)
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[Publications] M.Akiyoshi, T.Yano: "Connection Structures between Type-I and Type-II Defects in Neutron Irradiated β-Si_3N_4"J.Electron Microscopy. 52[3]. 267-275 (2003)
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[Publications] Yudi Pramono, M.Imai, T.Yano: "Helium Release and Physical Property Change of Neutron-Irradiated SiC Containing B_4C of Different ^<10>B Concentrations"J.Nucl.Sci.Technol.. 40[7]. 531-536 (2003)
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[Publications] M.Akiyoshi, N.Akasaka, Y.Tachi, T.Yano: "Interstitial Atom Behavior in Neutron Irradiated Beta-Silicon Nitride"J.Ceram.Soc.Jpn.. (印刷中).