2003 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子の光物性を利用する環境低負荷型大気汚染物質除去法の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
14658173
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉留 俊史 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60253910)
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Keywords | アップコンバージョン / フッ化物ガラス / 波長変換 / 光触媒 / 環境汚染 |
Research Abstract |
平成15年度は、ツリウム(Tm)含有アップコンバージョン(AC)ガラスからのAC光による光触媒反応を実際に起こすことを試み、さらにその反応効率の向上のための諸手法を検討した。 1.粒子状ACガラスによる光触媒反応に関する実験:ACガラスを粒子状に粉砕し、それをTiO_2粉末と混合したものに658nm光を照射してその発光スペクトルを測定した結果、360nmのACピークが消失しており、TiO_2がAC光を確かに吸収することが確認された。 2.板状ガラスからのAC光による光触媒反応モデル実験:H14年度の結果からパラニトロ安息香酸(PNBA)をモデル物質として、その水溶液をTiO_2粉末と共に試作した反応セルに入れ、658nm光照射による板状ガラスからのAC360pm光により光触媒反応を試みた。UVスペクトル分析からPNBAの約13%が分解され、赤色光による光触媒反応が確認された。 3.光触媒反応に及ぼす金属微粒子の光増強効果:この基礎実験としてAC光の金属微粒子による増強に関してH14年度に引き続き調べた。Tmと同じ希土類元素であるユーロピウムの固相状態からの蛍光が金属微粒子により増強されることが明らかとなり、AC発光の金属微粒子による増強の可能性が示唆された。 4.高い発光効率を持つ新規な希土類添加ガラスの設計と合成:H14年度の経緯を参考に原料組成を検討した結果、希土類元素含量を高くでき、現在その発光特性を調べている。 5.ACガラス微粒子表面に光触媒をコートする手法の開発:ACガラス微粒子からの発光をより有効に利用できるよう、ガラス微粒子表面にTiO_2などの光触媒をコートする準備として、現在TiO_2を液相から合成することを繰り返し試みている。 6.光触媒コーティングガラス微粒子の効果の実験:上記で作成する予定の光触媒コーティングガラス微粒子を用いて、光触媒反応の効率を測定してその効果を調べる準備を行った。
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