2002 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン・バイオイメージング法開発に関する基礎研究
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14658245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堂浦 克美 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00263012)
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Keywords | プリオン病 / 核医学的診断法 / プリオン蛋白沈着 / アミロイド結合化合物 / 脳移行性 / スクリーニング |
Research Abstract |
ヒトプリオン病の早期診断及び病勢診断のための簡便で非侵襲的な新規検査法として、PET・SPECTと云った核医学的検査法による生体内の病原因子プリオン(異常型プリオン蛋白)描出を行うプリオン・バイオイメージング法の開発をめざし、その基礎研究を行った。アミロイド結合化合物に焦点を絞り、Congo red関連化合物やThioflavin関連化合物をスクリーニングした。特に、コンピューター解析で脳血液関門透過性があり脳内移行性が期待でき、かつ神経芽細胞腫細胞での検定で細胞毒性が低いと考えられる化合物から調べた。なお、これらの化合物はアミロイドである異常型プリオン蛋白と結合して蛍光を発するため、ヒトプリオン病の剖検脳切片とモデル動物(プリオン罹患マウス)脳凍結切片を用いて、脳に沈着している異常型プリオン蛋白と化合物との特異的結合を蛍光顕微鏡下で検討した。その結果、Congo red関連化合物1種、Thioflavin関連化合物27種が粗大顆粒状の異常型プリオン蛋白の沈着を特異的に描出することを確認した。このうち、Congo red関連化合物の1種とThioflavin関連化合物の3種について、モデル動物の末梢尾静脈より化合物を投与し、一定時間後にと殺して脳を取り出し、凍結脳切片を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、いずれの化合物も脳の異常型プリオン蛋白沈着に集積している事が判明した。これらの化合物の内、脳移行性・代謝半減期・感度・特異性において優れていたのは、Thioflavin関連化合物の3種であった。一方、Congo red関連化合物の1種は、脳移行性が悪く、血管内皮に結合して長くとどまった。以上の結果より、Thioflavin関連化合物の3種は臨床応用が期待できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sasaki K, Doh-ura K, Ironside WJ, Iwaki T: "Increased clusterin (apolipoprotein J) expression in human and mouse brains infected with transmissible spongiform encephalopathies"Acta Neuropathol. 103. 199-208 (2002)
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[Publications] Sasaki K, Doh-ura K, Wakisaka Y, Iwaki T: "Clusterin/apolipoprotein J is associated with cortical Lewy bodies : immunohistochemical study in cases with alpha-synucleinopathies"Acta Neuropathol. 104. 225-230 (2002)
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[Publications] Tsuboi Y, Wszolek ZK, Kushuhara TT, Doh-ura K, Yamada T: "Japanese family with parkinsonism, depression, weight loss, and central hypoventilation"Neurology. 58. 1025-1030 (2002)
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[Publications] 堂浦 克美: "ヒトのプリオン病とその治療薬剤開発の現状"ファルマシア. 38. 635-639 (2002)
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[Publications] 堂浦 克美: "プリオン病の治療薬開発"医学のあゆみ. 203. 923-930 (2002)