2002 Fiscal Year Annual Research Report
可塑的脳機能変化における組織プラスミノーゲン活性化因子の役割
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14658249
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 清文 金沢大学, 薬学部, 教授 (30303639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 俊隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (70076751)
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Keywords | 薬物依存 / モルヒネ / メタンフェタミン / 組織プラスミノーゲン活性化因子 / シナプス可塑性 / ドーパミン / 報酬効果 / 禁断症状 |
Research Abstract |
依存性薬物であるモルヒネ(MOR)とメタンフェタミン(MAP)により誘発される可塑的精神機能障害における組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)の役割を検討し、以下の結果を得た。 1.MORの単回投与により、脳内におけるt-PA遺伝子の発現レベルが有意に増加する。MORにより誘発されるt-PA mRNAの増加は、オピオイド受容体アンタゴニストであるナロキソンにより拮抗され、MORの連続投与後には減弱する。 2.MORの単回投与により、側坐核(NAc)においてt-PAの蛋白レベルと酵素活性が増加する。 3.MORの鎮痛効果および連続投与後の耐性発現には、野生型マウスとt-PA遺伝子欠損マウスの間で差は認められない。しかし、t-PA遺伝子欠損マウスでは禁断症状が明らかに軽症である。 4.MORの自発運動増加作用および報酬効果は、t-PA遺伝子欠損軽度マウスでは減弱している。 5.t-PA遺伝子欠損マウスと同様、プラスミノーゲン遺伝子欠損マウスではMORの報酬が減弱している。 6.NAcにおけるMORのドーパミン遊離の促進作用は、t-PAおよびプラスミノーゲン遺伝子欠損マウスでは減弱している。t-PA遺伝子欠損マウスにおいて、外因性t-PAをNAcへ投与するとMORのドーパミン遊離促進作用が回復する。 7.MAPの場合には、単回投与ではt-PA遺伝子の発現レベルは変化せず、連続投与後に有意に増加する。MAPの連続投与により誘発されるt-PA mRNAの増加は、ドーパミンD1およびD2受容体アンタゴニストにより拮抗される。 以上の結果より、t-PAはMORの報酬効果および身体的依存の形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、MAP依存にも関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 永井 拓, 他: "モルヒネ依存形成におけるtissue plasminogen activatorの関与"日本神経精神薬理学雑誌. 22. 270 (2002)
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[Publications] M.Mizuno et al.: "Phosphatidylinositol 3-kinase : a molecule mediating BDNF-dependent spatial memory formation"Molecular Psychiatry. (in press). (2003)