2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動に伴う神経形態変化を可視化する分子プローブの開発
Project/Area Number |
14658259
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 裕明 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助手 (20314396)
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Keywords | neuron / plasticity / GFP / Arc / dendritic targeting / local translation / 3'UTR / mRNA |
Research Abstract |
神経細胞の構造変化部位を可視化するプローブとして(1)Arc3'UTRを利用した分子プローブ(2)抗Arc抗体をプローブとして用いた実験、を行い、今年度は以下のような成果を上げた。 (1)樹状突起局所翻訳を可視化するレポーターの作製 EYFP-NLS-PDZ reporterプラスミドにUTR cloning siteを持たせたものを作製した。このベクターの作動を確認するために、CaMKII 3'UTR及びArc3'UTRをそれぞれ組み込んだ試験レポーターベクターを作製した。これらを海馬分散培養に発現させ、レポーターmRNA及びEYFPの樹状突起内分布を調べたが、予想に反して樹状突起でシグナルは得られなかった。この原因がmRNAの2次構造にあるのではないかと考えて、mRNA2次構造をmfoldによって解析した。その結果、mRNA2次構造は塩基配列の微妙な変化に大きく影響され、これを考慮に入れてコンストラクトを作製することが必要であることがわかった。現在、コンストラクトを作製しなおしている。 (2)最初期遺伝子Arc蛋白質の神経細胞内分布 抗Arc抗体を用いて、海馬分散培養におけるArcの樹状突起内分布を調べた。その結果、Arcが樹状突起だけでなく、軸索にも発現していることが明らかになった。現在、発達における分布の変化の解析を行っている。また、ArcのN末、及びC末に対する2種類のポリクローナル抗体を用いて、Arcの樹状突起内分布を調べたところ、ArcのN末エピトープとC末エピトープが異なった分布を示す結果が得られ、この詳細についても現在解析中である。
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