2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658280
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20197643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯山 隆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20302789)
阿部 裕輔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90193010)
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Keywords | フラーレン / 圧力センサー / 体内埋込 / フラーレン薄膜 / マイクロ加工 |
Research Abstract |
本年度はフラーレン薄膜圧力センサーチップのカニューレへの組み込みを行った。カニューレの基材としては成型加工が容易な塩化ビニルを用いた。カニューレ内面には抗血栓性に優れているセグメント化ポリウレタンを用いてコーティングを行い評価した。カニューレへの圧力センサーチップの組み込みは、ベースとなるカニューレの作成後、カニューレに穴を開けセンサーチップの組み込みを行い、その後隙間を塩化ビニルにより充填を行いシールすることで実現した。セグメント化ポリウレタンのコーティングは溶媒に溶かしたポリウレタンをカニューレ内部に充填し、後に抜き去ることで行った。専用増幅回路との接続はセンサーチップより配線を出すことで行った。 ポリウレタンによるコーティングは動物実験により高い抗血栓性を持つことが実証されている。センサーチップそのもののコーティングに使用しているポリパラキシリレンは生体適合性は高いものの、抗血栓性は低いとされている。そのためセンサーチップの血液接触面もポリウレタンによるコーティングが必要とされる。しかしながら、充填によるコーティングでは膜厚の不均一であるため、センサー感度の安定化が困難である問題が発生した。 専用増幅回路は比較的大きなものとなったため、カニューレ本体への組み込みは不可能であった。そのためセンサーチップとの接続は配線を用いて行った。センサーチップのインピーダンスは非常に高いため、外来ノイズの影響は大きなものとなり、厳重なシールドが必要とされる。そのため、生体において使用する場合はハムノイズなど外来ノイズへの耐久性を持たせる必要がある問題が発生した。 これらの問題はポリウレタンの気相成長法や専用増幅回路の小型化によるカニューレへの組み込みを行うことで解決できるものと思われる。
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