2002 Fiscal Year Annual Research Report
非解剖学的構造をもつ人工弁作成を目指した組織工学的研究
Project/Area Number |
14658283
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井街 宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10010076)
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Keywords | 人工弁 / 組織工学 / 臓器再生 / 組織リモデリング / 生体材料 / 人工臓器 / ポリグリコール酸 |
Research Abstract |
手術用材料として市販されている吸収性ポリグリコール酸フェルト(グンゼ社製ネオベール)を用いて、弁葉作製のための足場となる骨格を作製した。この弁葉をポリウレタンで作ったスポーク状の弁座に、ポリプロピレン製のねじで固定し、弁葉がポリグリコール酸、弁座がポリウレタンからなるJellyfish弁を作製した。このフェルトは加水分解により30日でほぼ強度が0になるように設計されている。 ヤギの頸静脈を取りだし、単純explant法に準じて、1mm〜2mm程度の大きさに細切し、60mm dish上に播種した。GIT培地(和光純薬)500mlに、Basic-FGF(fibroblast growth factor)0.67μg,ペニシリン20万単位・ストレプトマイシン200mg、10%FBS(ウシ胎児血清)を加えた培地で培養した。2週間ほどで血管構成細胞である内皮細胞・線維芽細胞などからなる混合細胞コロニーが得られた。これをトリプシン処理してフラスコに移し、播種できる細胞数まで培養を続けた。 現在、細胞数が2×10^5個程度になったところで、ポリグリコール酸のフェルト上に混合細胞を播種し、弁全体を培養液につけポリグリコール酸フェルト内で細胞の静置培養を行っている。約2週間程度培養を行った後、アクリルで作製した弁試験装置にこの弁を取り付け、圧較差・逆流耐圧・順方向流量・逆流量などの弁機能を計測し、動物実験において使用可能か否かを計測する。逆流耐圧が200mmHg程度得られれば、ヤギの大動脈弁位に埋込み、100mmHg程度であれば肺動脈弁位に埋め込んで、弁機能の評価および生体内で弁葉がどのようなリモデリングを受けるのかを評価する。
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