2003 Fiscal Year Annual Research Report
表在性疾患のマイクロ光医療 -高精細光トモグラフィを備えたレーザアブレーションによる新たな診断・治療ツール-
Project/Area Number |
14658289
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春名 正光 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20029333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 成昭 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70190402)
近江 雅人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60273645)
関本 貢嗣 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10273658)
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Keywords | 生体レーザアブレーション / 光トモグラフィ(OCT) / in situ観察 / マイクロ光医療 / 線維肉腫 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの空間分解能3μm以下の高精細光トモグラフィ(高精細OCT)、および分解能10μmのOCTとレーザアブレーションを融合した生体組織の加工をin situ観察できる装置を駆使して、提案するマイクロ光医療の有用性を示唆した。 (1)フェムト秒レーザを用いた空間分解能3μmの高精細OCTを用いて胃壁のin vitro OCTを取得した。とくに、癌の早期診断に重要な粘膜下1〜2mmにある厚さ数10μmの粘膜筋板を鮮明にイメージングすることができた。これと組織切片の顕微鏡写真と対比し、胃癌の早期診断への有用性を確認した。 (2)高精細OCTを装備したレーザアブレーション装置を設計・試作し、アブレーションされた生体組織の断層イメージをin situ観察できる測定システムを構築した。レーザパルス毎にOCT測定が行えるように測定システムの自動化を行った。 (3)さらに、本装置で得られたアブレーションクレータのOCTを連続表示することで動画を作成し、各種生体組織の剥離される様子やアブレーションレートの評価を行った。本実験で得られた代表的な生体硬組織のアブレーションレートは0.2μm/パルスで、深さ約400μmまで残渣がなく安定に掘り進められることを確認した。 (4)高精細OCTを用いて線維肉腫を埋め込んだヌードマウス腹部の断層イメージを取得した。これと組織切片の顕微鏡写真と対比することで、マイクロ光診断の基礎データを蓄積した。 (5)これらの結果をもとに、表在性疾患の診断・治療におけるマイクロ光医療の有用性を示唆した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 春名 正光: "OCTの臨床診断応用と技術展開"BME. Vol.17 No.4. 44-53 (2003)
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[Publications] 春名 正光: "医療を中心とする光コヒーレンストモグラフィーの技術展開"レーザー研究. Vol.31 No.10. 654-662 (2003)
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[Publications] Masato Ohmi: "Ultra-high resolution optical coherence tomography using a halogen lamp as the light source"Optical Review. Vol.10 No.5. 478-481 (2003)
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[Publications] Masato Ohmi: "High-speed simultaneous measurement of refractive index and thickness by the low coherence interferometry and confocal optics"16'th International Conference on Optical Fiber Sensors. Tech.Dig.WeP-11. 344-347 (2003)
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[Publications] Hisami Nishi: "Tomography-based measurement of refractive index and thickness profiles by the low coherence interferometry"16'th International Conference on Optical Fiber Sensors. Tech.Dig.Fr1-4. 764-767 (2003)
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[Publications] Masato Ohmi: "High-resolution optical coherence tomography of biological tissue using a fiber-pigtailed thermal-light interferometer"16'th International Conference on Optical Fiber Sensors. Tech.Dig.Fr1-7. 776-779 (2003)
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[Publications] 春名 正光: "イントロダクトリートーク-21世紀の光センシングをリードする光デバイス-"第31回光波センシングセンシング技術研究会. LST31-1. 9-10 (2003)
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[Publications] 近江 雅人: "熱光源による生体組織の高分解能OCT"第31回光波センシングセンシング技術研究会. LST31-12. 77-82 (2003)
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[Publications] 春名 正光: "イントロダクトリートーク-大学を中心とする実用的な光波センシング技術の開発研究について-"第32回光波センシングセンシング技術研究会. LST32-1. 9-10 (2003)
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[Publications] 近江 雅人: "照射レンズの集光効果を利用したインフォーカスOCT"第32回光波センシングセンシング技術研究会. LST32-8. 59-64 (2003)
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[Publications] Masato Ohmi: "Quasi in-focus optical coherence tomography"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.43 No.2. 845-849 (2004)