2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658294
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 隆 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (80270883)
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Keywords | 神経インタフェース / マイクロ流体デバイス / ナノホール / マイクロバルブ / 神経成長因子 |
Research Abstract |
幅60μm,高さ30μmのマイクロ流路中で未分化の単一神経細胞を吸引固定し,その細胞に神経成長因子を作用させることにより単一軸索の伸長制御を行うことができるマイクロ流体デバイスを構築した.マイクロ流路の底面の材質はガラスであり,側面及び上面を厚膜レジストSU-8で構成した.粘性の異なる2種類のレジスト材料を利用して,流路中の細胞固定部に吸引用と神経成長因子導入用の高さ3μmの狭窄部を設けた.実際にこのデバイス内で単一のPC12細胞を固定化し軸索の伸長制御を行った.この実験により,固定化に必要な最適な吸引速度や神経成長因子濃度の違いによる軸索伸張速度の違いなどを得た. SOI (Silicon on Insulator)基板を両面から加工することにより,神経成長因子を放出するためのナノホール・アレイとその放出量を制御するマイクロバルブを組み合わせたマイクロ流体デバイスを構築した.SOI基板のシリコン基板層を加工することにより細胞を培養するためのチャンバを製作し,単結晶シリコン薄膜層を加工することによりマイクロ流路を構築した.酸化シリコン薄膜層には集束イオンビームによりナノホールを複数貫通させ,培養チャンバとマイクロ流路がこのナノホール・アレイのみで通じるようにした.マイクロ流路中には表面の親水性・疎水性を利用したマイクロバルブを構成し,外部圧力によるバルブの開閉を実現した.外部より圧力を印加すると,マイクロ流路入口側の流体とナノホール・アレイ直下の流体が結合し,流路入口側からナノホール側へ神経成長因子が拡散し,最終的にナノホールから放出される.よって,マイクロバルブの開閉により,ナノホールからの神経成長因子放出量を制御することが可能である.これを確かめるために蛍光色素を用いた実験を行い,バルブ開閉によりナノホールからの放出制御が可能であることを検証した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takashi Yasuda: "Fabrication of a Microfluidic Device for Axonal Growth Control"Technical digest of the 12th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems. Vol.2. 1259-1262 (2003)
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[Publications] 中島雄太: "マイクロ流体デバイスによる神経成長因子放出制御"日本機械学会 第16回バイオエンジニアリング講演会 講演論文集. 125-126 (2004)
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[Publications] 皆田晋介: "マイクロチャネルを用いた神経伝達物質計測"日本機械学会 第16回バイオエンジニアリング講演会 講演論文集. 127-128 (2004)
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[Publications] 安田隆: "神経成長因子放出のためのマイクロ流体デバイスの構築"第42回日本エム・イー学会大会論文集. 274 (2003)
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[Publications] 熊本將元: "マイクロ流路内での神経電気信号の計測"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 講演論文集. 2P1-3F-F8(1)-2P1-3F-F8(2) (2003)
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[Publications] 中島雄太: "ナノホールを用いた神経軸索誘導マイクロデバイスの開発"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 講演論文集. 2P1-3F-G2(1)-2P1-3F-G2(2) (2003)