2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本及び欧米諸国における舞台芸術の身体表象とその演出について
Project/Area Number |
14701002
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安田 靜 日本大学, 経済学部, 専任講師 (90339226)
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Keywords | 表象 / 身体 / 演出 / 表現 / ダンス / 演劇 |
Research Abstract |
本研究は、舞台芸術の身体表象とその演出を分析の対象とする。そこで本年度はまず、研究実施計画に記載した通り、国際舞踊学会で発表(5月、内容については後述)を行った。このほか、研究費を使って、分析対象となるオペラ、舞踊など舞台作品の映像資料を数多く収集することができた。これらの映像資料は、国内のみならず、海外での調査研究及び学会への参加の機会に得られた貴重なものばかりで、今後の研究材料として重要な資料となる。 さて、上述の日韓合同国際舞踊学会の発表では、これまで日本において一種のタブーとしてほとんど論じられることのなかった民族、文化と身体の問題をとりあげ、日本においてコンテンポラリー・ダンスが抱きうる独創性と豊かな可能性について論じ、反響を呼んだ。 また、研究費の補助を得て複数の理系学会にも参加した。具体的にはヒューマン・インターフェース学会、ROMAN学会(ロボットとヒューマンの出会い)、情報関連連合大会などで、いずれの学会においても、本研究計画の柱である人文系と理系の知見を統合して進めてゆく、という学際的研究方法が、今後ますます欠くべからざるものとなるだろう、ということを実感した。とりわけ本研究において、舞台芸術の身体表象とその演出について考察を進めてゆくにあたり、これまでのような人文科学的アプローチ(文化論、身体論、認知心理学等)に加えて、身体運動の量的・質的な科学的分析や、認知に関する大脳生理学的分析といったアプローチを取り込んでゆくことの必要性をあらためて認識した次第である。 こうした分析の端緒として、世界を代表する振付家が実際にどのようにコンピュータ・テクノロジーを舞踊創作の現場で活用しているのかについて論じ、研究論文"La Creation des oeuvres choregraphiques a l'aide de l'infomatique"を仕上げた。
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[Publications] 安田 靜: "1980年代フランスの文化政策"研究紀要(日本大学経済学研究会発行). 第37号. 141-155 (2002)
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[Publications] Shizuka Therese YASUDA: "The Possibilities of Contemporary Dance for the Japanese Choreographer and Dancer"The 2nd Japan and Korea International Dance Research Symposium. No.2. 114-119 (2002)
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[Publications] Shizuka Therese YASUDA: "La Creation des oeuvres choregraphiques a l'aide de l'informatique"研究紀要 (日本大学経済学研究会発行). 第40号. 27-36 (2003)