2002 Fiscal Year Annual Research Report
メンタルトレーニグは脳の「どこ」に「どのように」利くのか
Project/Area Number |
14701017
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (40240759)
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Keywords | 脳波 / 事象関連電位 / MRI / やる気 |
Research Abstract |
本研究では、メンタルトレーニングプログラムの要素である、イメージトレーニング、サイキアップトレーニング、リラクセーションなどに焦点を当てて、メンタルトレーニングによって脳のどこがどのように活動していくかを調べることを目的としている。 脳の「どこ」が活動しているかについて調べる方法として、機能的磁気共鳴映像(fMRI)があげられる。また、脳のどこが「どのように」活動したかについては、脳波のなかでも事象関連電位(ERP)を利用して調べることが出来る。本年度は、機能的磁気共鳴映像と事象関連電位を用いて実験システムを確立することを第一の目的とした。そのため、実験については以下の二つの実験を行った。なお、今年度はとくにサイキアップトレーニングを対象として実験を行った。 【実験1】機能的磁気共鳴映像を用いたサイキアップトレーニングと関連する脳部位の特定 サイキアップは選手の「やる気」を高めるトレーニングである。そのため、被験者に報酬を与えた時と与えない時では、課題遂行時に脳のどの部位に活動の差が見られるかを検討した。課題は時間評価課題を用いた。その結果、とくに左半球・後側頭部での活動が観察された。しかしながら、被験者数が少ないためにさらに今後継続して被験者数を増加させる必要性があるものと考えられる。 【実験2】事象関連電位を用いたサイキアップトレーニングと関連する脳部位の特定 事象関連電位を用いた研究では、同様に時間評価課題を用いて、被験者に報酬を与える時と与えない時の脳の活動を比較した。得られた脳波は、加算平均処理した後に、脳波の発生源を特定するために、spatio-temporal dipole medellingを利用して、分析にかけられた。その結果、右半球の前頭部、および左半球の後側頭部に報酬によって有意に電位が大きくなることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasunori Kotani et al.: "The effect of reward and stimulus modality on the spatiotemporal dipole model of the stimulus-preceding negativity"Psychophysiology. 39 Suppl.1. S48 (2002)
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[Publications] Yoshimi Ohgami, Yasunori Kotani, et al.: "Effect of reward and stimulus modality on stimulus-preceding negativity"Psychophysiology. 39 Suppl.1. S63 (2002)
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[Publications] 小谷泰則 他: "刺激専攻陰性電位に対する刺激様式と報酬の影響-ダイポール分析による検討-"生理心理と精神生理学. 20巻2号. 180 (2002)
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[Publications] 大上淑美, 小谷泰則, 石井源信: "刺激専攻陰性電位(SPM)に対するFB刺激様式と報酬の効果"生理心理と精神生理学. 20巻2号. 181 (2002)