2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14702001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80296748)
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Keywords | 変分問題 / 非線形偏微分方程式 / 相分離 / 幾何学的測度論 / 非等方的 / 極小曲面 / 粘性解 |
Research Abstract |
平成15年度は(1)ファセットなど非等方的な結晶構造を持つ2次元結晶成長モデルを描写する非線形偏微分方程式の解析,(2)等方的な表面張力がその分離の主原因となっているVan del Waals2相分離モデルの安定解の解析,及び今年度に参加した研究集会中にPenn State大学のLiu氏によって問題提起された(3)非圧縮性流体移流効果のある場合の平均曲率流弱解構成への幾何学的測度論の応用の3つに関して研究成果があった.(1)では空間1次元で一様凸性を仮定し,またグラフとして表される場合の解の内部正則性の評価を得た(論文投稿中).(2)ではエネルギー最小ではないかもしれないが少なくてもエネルギー安定であるような相分離面の特徴付けを,測度論的に一般化された第二基本形式を用いて行うことができた(論文投稿中).測度論的な意味で一般化された安定的極小超曲面が補次元数3以上の特異点をもつ場合は80年代のSchoen-Simon結果で(空間次元が低い場合)その特異点は実は存在しないという事が知られているが,私が考えている状況では特異点に関する次元の仮定は出来ないためにその結果は直接適用できない.しかし正則性を示す為の測度論的道具は揃っているのでSchoen-Simon型の正則性理論を構成することが次年度の興味ある課題となった.(3)では非圧縮流で押し流される相分離面モデルを考え,移流効果項の正則性をどの程度まで落としてもBrakke型の平均曲率流を構成できるかについての知見を得る事ができた(論文準備中).
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Tonegawa: "Domain dependent monotonicity formula for a singular perturbation problem"Indiana University Math.Journal. 52・1. 69-83 (2003)
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[Publications] A.Harris: "A θ^^-θ-Poincare lemma for forms near an isolated complex singularity"Proc.American Math.Soc.. 131・11. 3329-3334 (2003)