2004 Fiscal Year Annual Research Report
AFM技術を用いた液体超薄膜の面内・面外高速流動特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
14702026
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松岡 広成 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助教授 (10314569)
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Keywords | マイクロ / ナノトライボロジー / 液体超薄膜 / 原子間力顕微鏡(AFM) / 分子間力 / メニスカス力 / 振動応答特性 / マイクロメカニズム / 磁気ディスク装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、液体超薄膜(厚さ数nm)の面内・面外高速流動特性を実験的に解明し、学術的考察のみならず、微小機械の潤滑設計指針を得ることである。具体的には、i)原子間力顕微鏡(AFM)を用い、液体超薄膜の高速流動特性を超高精度に測定する手法を確立し、次に、これを用いて、ii)面外高速振動に対する液体超薄膜の流動特性、およびiii)面内高速摺動に対する液体超薄膜の流動特性を、種々の実験条件下で解明する。 平成16年度は、超薄膜液体の高速流動特性のさらなる高精度計測に向けて、AFMカンチレバーの振動特性および一般的にAFMに用いられている光てこ法による振動計測について、理論的・実験的に検討を行った。まず、カンチレバー先端に集中質量がある場合(探針を想定)の振動特性解析を行った。その結果、カンチレバー全体の質量と集中質量との質量比により、補正係数が変化することを定性的に明らかにした。ここで補正係数とは、光てこ法がカンチレバーのたわみ角を測定しているため、これを変位振幅に変換する係数のことである。補正係数は、振動周波数にも依存している。次に、カンチレバー先端にばねが付加された場合(ファンデルワールス力やメニスカス力など、試料との相互作用を想定)の振動解析を行った。その結果、カンチレバーの静的ばね定数と先端付加ばねとのばね定数比によって補正係数が変化することを示した。さらに、本研究で製作したピエゾ素子振動特性測定装置を用いて加振部の振動特性計測を行うとともに、AFMでカンチレバー先端の振動特性計測を行った。得られた2つの結果から、カンチレバーの振幅比を実験的に求めることに成功した。
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Research Products
(6 results)