2003 Fiscal Year Annual Research Report
選択的分子拡散輸送を実現するナノスケール粒子の多機能化に関する研究
Project/Area Number |
14702030
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (00344127)
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Keywords | マイクロスケール混相熱流体 / ナノスケール粒子 / マイクロTAS / 選択的コントロール / 電気化学 / pH / ゼータ電位 / 脱プロトン反応 |
Research Abstract |
分析化学分野における最先端のマイクロTASの性能を飛躍的に向上させ,新たな機能を創製するためには,マイクロチャネル内の流体(液体,特に緩衝液)中に存在する分子及び分子クラスターを,選択的にコントロール可能とする技術が必要不可欠である.今年度は,現在まで不可能とされてきた物理量のセンシング,および選択的コントロール技術の開発研究を行った.マイクロチャネルにおいては,壁面近傍に形成される電気二重層が,熱流動現象を支配する.電気二重層の形成および過渡特性を定量的に評価するには,壁面ゼータ電位を時系列で計測する必要がある.そこで本研究では,マイクロ粒子画像流速計(マイクロPIV)を用いて,壁面ゼータ電位の時系列計測を行った.密閉セルを用いることによるサブミクロン粒子電気泳動移動度計測,マイクロチャネル内電気浸透流三次元速度計測,そしてゼータ電位時系列計測を可能とするシステム構築を行った.緩衝液中に存在するナノスケール粒子を選択的に分離可能とする制御技術の開発も行った.緩衝液の導電率比をコントロールすることにより,マイクロチャネル内に導電率勾配を発生させ,電気浸透流および粒子の電気泳動を電界を用いて制御することにより,サブミクロン粒子をマイクロチャネル下流域において,所望の場所で分離を可能とした.本年度の結果により,マイクロスケール熱流動センシング,マイクロスケール熱流動現象解明,そしてマイクロスケール熱流動コントロールが可能となり,マイクロチャネルにおける選択的分子拡散輸送システム構築の基盤がほぼ完成したと云える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ishizuka, Y.Sato: "Development of Thermal Device for Sensing Humidity in Microspace"Thermal Science and Technology. 11. 17-23 (2003)
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[Publications] 佐藤洋平, 菱田公一, 前田昌信: "マイクロチャネルにおける熱流動構造"第52回理論応用力学講演会論文集. 429-430 (2003)
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[Publications] Y.Sato, S.Inaba, K.Hishida, M.Maeda: "Spatially Averaged Time-Resolved Particle Tracking Velocimetry in Microspace Considering Brownian Motion of Submicron Particles"Experiments in Fluids. 35. 167-177 (2003)
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[Publications] S.Devasenathipathy, J.G.Santiago, T.Yamamoto, Y.Sato, K.Hishida: "Electrokinetic Particle Separation"Micro Total Analysis Systems 2003. 1. 845-848 (2003)
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[Publications] 一柳満久, S.Devasenathipathy, 佐藤洋平, 菱田公一: "pHの異なる緩衝溶液による電気二重層形成の過渡特性"熱工学コンファレンス2003. 1. 429-430 (2003)
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[Publications] Y.Sato, G.Irisawa, M.Ishizuka, K.Hishida, M.Maeda: "Visualization of Convective Mixing in Microchannel by Fluorescence Imaging"Measurement Science and Technology. 14. 114-121 (2003)