2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14702038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤井 俊彰 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (30273262)
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Keywords | 超多視点情報 / 光線空間 / リアルタイム取得装置 / 走査光学系 / 高速度カメラ |
Research Abstract |
平成14年度の研究目標は,「走査光学系と高速度カメラを用いた撮像システムの基本原理の研究」であった.研究実施計画に従って研究を遂行し,以下の成果を得た. 1.光学系の構築 放物面ミラー2枚とガルバノミラーを組み合わせた新しい撮像光学系を構築した.2枚の放物面ミラーにより結像した被写体の実像内にガルバノミラーを置き,この回転角度を制御することにより,被写体に対してカメラを移動させたのと等価な映像を撮影することに成功した. 2.撮像パラメータの検討 一般に利用可能な高速度カメラのフレームレートと解像度,およびガルバノミラーの回転角度と速度を勘案し,本原理に基づく光線情報取得システムで取得可能な光線密度および最大視域角について検討した.その結果,視域角30度の範囲内でPlenoptic Sampling条件を満足する密度の光線がビデオレートで取得できることを確認した. 3.オフラインでの撮像実験と評価 ガルバノミラーの角度を一定の刻み幅で変化させながら撮影を行い,得られた静止画群に対して幾何学的変換と並び替えを行うことにより光線空間データを構築した.そして,光線空間データから切り出しにより透視投影画像を生成し,その品質を評価した.その結果,ガルバノミラーのある角度において特異点が存在し,そこでは像が著しくぼけることが判明した.この特異点を避けて視域角を設定することにより安定して一定品質の光線空間データが取得できることを確認し,本撮像装置の基本原理を実証した. 4.リアルタイムシステム構築に向けた基本回路の設計 ガルバノミラー角度信号を取得し,それに応じて高速度カメラからの信号を格納するメモリアドレスを適応的に発生させる回路の設計を行った.また,ガルバノミラーの往復周期と高速度カメラのピクセルレートが非同期であることから生じる生成画像品質の劣化を防ぐため,出力段におけるダブルバッファ方式の検討を行い,この問題を回避できる見通しを得た.これらの知見をもとに,次年度におけるリアルタイム撮像システムの基本仕様を決定した.
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[Publications] 沓名輝幸, 関藤誠, 藤井俊彰, 木本伊彦, 谷本正幸: "多視点画像リアルタイム並列入力装置"3次元画像コンファレンス2002. 21-24 (2002)
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[Publications] 沓名輝幸, 関藤誠, 藤井俊彰, 谷本正幸: "任意視点生成のための多眼画像処理システム"電気関係学会東海支部連合大会. 304 (2002)
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[Publications] 沓名輝幸, 藤井俊彰, 谷本正幸: "光線空間データのリアルタイム取得システム"2002映像メディア処理シンポジウム. 93-94 (2002)
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[Publications] Teruyuki Kutsuna, Toshiaki Fujii, Masayuki Tanimoto: "Real-Time System to Obtain Ray Space data"International WorkShop on Advanced Image Technology 2003. 187-190 (2003)