2004 Fiscal Year Annual Research Report
メタ磁性転移を利用した巨大磁気冷凍効果作動物質の開発
Project/Area Number |
14702050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 麻哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10323073)
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Keywords | 遍歴電子メタ磁性転移 / 磁気熱量効果 / 磁気冷凍 |
Research Abstract |
本年度は、メタ磁性転移が明瞭に現われるLa(Fe_xSi_<1-x>)_<13>化合物(x=0.88〜0.90)を対象とし、これまでの成果を考慮して以下の点について実験考察を行った。 1.冷凍機搭載を考慮した試料作製歩留まりの向上 昨年度までに、本化合物の磁気熱量効果の評価と動作温度範囲の室温近傍への制御方法検討を数十g程度の試料を用い行ってきたが、実際の冷凍機搭載には、モジュール試験の段階から、数百g〜1kg程度の試料が必要である。そこで、実用的供給を念頭におき、1kg程度の母合金から高歩留まりで目的試料を作成する手法を検討した。高周波炉により作製した溶湯を高熱容量かつ高熱伝導(放熱)を考慮して設計した銅鋳型に鋳込む事で組織制御を行い、500〜800g程度の高品位試料が1バッチで作製できることを明らかにした。 2.磁気冷凍動作温度の低温側への拡張 本化合物のキュリー温度を低下制御できれば低温域での高効率磁気冷凍が実現でき、気体冷凍の効率が激減する0℃〜-100℃程度で動作する諸々の新規デバイスのための冷凍に応用できる。バンド構造の特徴からはFeを電子数の少ない元素で置換すること、磁気体積効果からは、Laを原子半径がより小さい元素で置換すること、によりT_C低下が予想されたが、実際に各種元素置換により、T_Cの低下制御と、低温域での巨大磁気熱量効果の発現を確認できた。 以上および前年度までの結果から、本化合物は高効率な磁気冷凍を100K〜330K程度の温度範囲で永久磁石で発生可能な程度の磁場により実現できる、安価で人畜無害な新材料として非常に有望であると結論できる。
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Research Products
(5 results)