2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高速還元を目指した酸化物微粒子Cコーティング技術の確立
Project/Area Number |
14702054
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西岡 浩樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80294891)
|
Keywords | 超高速還元 / 酸化物微粒子 / Cコーティング / CH_4ガス / 析出反応 |
Research Abstract |
酸化鉄微粒子のカーボン被覆膜の形成を第1の目標とし、皮膜の形成が可能な条件に関する調査検討を行った。マグネタイト微粒子層にCH_4を導入しカーボン皮膜を生成させると同時に、カーボン皮膜の生成挙動を明確にするため、鉄基板上でのCH_4の分解・カーボンの析出挙動に関する実験を行った。 マグネタイト微粒子を1300℃および1450℃に保持された炉内へキャリアガスと伴に導入した。キャリアガスは、N_2-CH_4,N_2-H_2混合ガスとした。実験後に試料のEPMA,SEM観察を行った。 実験後の試料は1300℃では原形を維持していたが、1450℃では球状化した。CH_4の供給量が十分な条件では、鉄表面に炭素の析出が確認された。N_2-H_2混合ガスに比べ、N_2-CH_4ガスの反応速度は非常に大きな値を示した。これは(1)CH_4の分解により粒子表面に析出したCと酸化鉄の直接反応、(2)H_2還元により生じたH_2Oの水性ガス化反応によるガスリフォーミングの寄与であると考えられる。 H_2-CH_4雰囲気下における鉄表面へのCの析出速度を測定した。実験温度は1050℃、1100℃、1145℃とした。高速度カメラによるその場観察、および実験後試料表面および断面のSEM観察、EPMA分析、内部炭素濃度の測定を行った。 CH_4濃度や混合ガスの流量のカーボン析出速度への影響は確認されなかった。カーボン析出速度は強い温度依存性を示した。従って、鉄板表面でのCH_4分解及び分解により生成された炭素の鉄中への浸炭反応が律速段階であると考えられる。反応初期において、鉄中への浸炭速度が非常に速いことが確認された。よって鉄表面への炭素の被覆挙動は、まず鉄板表面でのCH_4分解により炭素が生成し浸炭が進行、その後鉄中炭素濃度が飽和量に近づくと鉄板表面上に炭素皮膜層を形成し始めるものと推定される。
|