2002 Fiscal Year Annual Research Report
数値流体力学的手法による非定常キャビテーションの計算法の開発
Project/Area Number |
14702055
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川村 隆文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80334324)
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Keywords | キャビテーション / 数値シミュレーション / シート・クラウドキャビテーション / プロペラ / Level-Set法 |
Research Abstract |
本研究では、舶用プロペラ等の流体機器に発生するキャビテーション現象の新しい数値モデルを構築することを目指している。本年度は、並列計算機を導入し、計算の並列実行を可能とする作業をまず行った。並列化した計算コードを用いて行った気泡流の直接数値シミュレーションの成果に関して2件の論文を発表した。本シミュレーションにおいては、気泡の合体や分裂は考慮していないが、非定常流れ中の気液界面の挙動についての精密なシミュレーションが可能であることを示した点が重要な成果である。二次元翼に発生するキャビテーションの数値計算においても、現在結果が蓄積されつつあり、来年度に複数の論文を発表する予定である。NACA0015翼断面に発生するシート・クラウドキャビテーションの数値シミュレーションにおいて、従来の計算方法では予測不可能であった準周期的なシートキャビティの崩壊を再現することに成功した。舶用プロペラまわり流れの計算においては、3次元形状モデルの作成と計算格子の生成を行い、キャビテーションが起きない条件下でのテスト計算において実験と良好な一致が得られた。その他、モデルを用いた計算を、プロペラ設計に応用するために最適化アルゴリズムの利用の検討を行った。 計算と平行して、現象のより深い理解とモデルの検証のための実験も行った。本年度はプランジャーポンプとノズルからなるキャビテーション発生装置を製作し、各種の計測を行っている。本装置を用いて行った実験の成果に関して2件の論文を発表した。さらに、既存設備である舶用キャビテーションタンネルと高速度カメラを用いて、二次元翼及び舶用プロペラまわりのキャビテーション流れの詳細な計測と観察を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 迫田我行, 前田正二, 川村隆文, 山口一: "シートキャビティにおけるre-entrant jetの影響"日本流体力学会年会2002講演論文集. 318-319 (2002)
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[Publications] 渡辺貴之, 川村隆文, 前田正二, 掛川晃彦, 山口一: "レーザーホログラフィ法による水ジェットキャビテーションの計測"日本流体力学会年会2002講演論文集. 320-321 (2002)
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[Publications] 掛川晃彦, 横山裕, 渡辺貴之, 川村隆文, 前田正二, 山口一 他: "キャビテーション・ジェットによる有機化合物の分解に関する基礎研究"日本機械学会2002年度年次大会講演論文集. (III). 261-262 (2002)
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[Publications] T.Kawamura, A.Kakugawa, Y.Kodama, Y.Moriguchi, H.Kato: "Controlling the Size of Microbubbles for Drag Reduction"Proceedings of the 3rd Symposium on Smart Control of Turbulence. 121-128 (2002)
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[Publications] T.Kawamura, Y.Kodama: "Numerical simulation method to resolve interactions between bubbles and turbulence"International Journal of Heat and Fluid Flow. 23. 627-638 (2002)
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[Publications] Y.Takekosi, T.Kawamura 他: "Application of Optimization Algorithm to Propeller Blade Sections"Proceedings of the 8th Symposium on Nonlinear and Free-Surface Flows. 67-70 (2002)