2002 Fiscal Year Annual Research Report
予測技術を用いた高性能/低消費電力メモリ・システムの開発
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14702064
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 弘士 福岡大学, 工学部, 助手 (80341410)
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Keywords | 低消費電力 / 予測技術 / 再利用技術 / カスタム設計 / 組込みシステム / キャッシュ・メモリ / 命令ROM / レジスタ・ファイル |
Research Abstract |
平成14年度は、本研究に関して以下の内容を実施した。 (1)実行履歴に基づくメモリ・システムの動的最適化技術に関して、新しいメモリ・アーキテクチャを提案した。具体的には、過去の検索結果を再利用する低消費電力キャッシュ・アーキテクチャを考案した。また、ソフトウェア・シミュレータを開発し、提案手法の有効性を評価した。その結果、従来方式を比較して、極めてわずかな性能低下をもたらすだけで大幅に(60%程度)低消費エネルギー化を達成できることが分かった。また、これらの結果を国際会議にて発表した。 (2)プログラム実行におけるメモリ参照の局所性を活用し、組込みシステム向け低消費電力命令ROMアーキテクチャと最適化技術を考案した。具体的には、実行頻度の高い命令に対して読み出し時に消費エネルギーが最少となるようにバイナリ・コード(オペレーション・コード)を割り当てる。これにより、命令ROMアクセスにおける消費エネルギーを削減できる。また。本提案手法に関してシミュレータを作成しその有効性を評価した。これらの結果は国内外での会議にて公表した。 (3)ウェイ予測技術を用いた低消費電力キャッシュのテストチップを設計した。具体的には、東京大学VDECから提供される0.18μmCMOSプロセスを用いたウェイ予測キャッシュのカスタム設計を行った。また、実設計データからキャッシュの消費エネルギーを測定し、ウェイ予測キャッシュの有効性を明らかにした。 (4)プロセッサ内部に搭載されるレジスタ・ファイルの低消費エネルギー技術に関して新しいアーキテクチャを提案し、その有効性を評価した。また、これらの結果を国内外の会議にて発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Inoue, V.Moshnyaga, K.Murakami: "A Low Energy Set-Associative I-Cache with Extended BTB"Proc.of 2002 International Conference on Computer Design(ICCD'02). 187-192 (2002)
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[Publications] H.Takamura, K.Inoue, V.Moshnyaga: "Register File Access Reduction by Data Reuse"Proc.of 12th International Workshop on Power And Timing Modeling, Optimization and Simulation. 278-288 (2002)
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[Publications] K.Inoue, V.Moshnyaga, K.Murakami: "A History-Based I-Cache for Low-Energy Multimedia Applications"Proc.of 2002 International Symposium on Low Power Electronics and Design(ISLPED'02). 148-153 (2002)
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[Publications] M.Fukagawa, K.Inoue, V.Moshnyaga: "Reducing Energy Consumption of Video Memory by Bit-Width Compression"Proc.of 2002 International Symposium on Low Power Electronics and Design(ISLPED'02). 142-147 (2002)
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[Publications] 井上弘士, モシニャガ・ワシリー, 村上和彰: "タグ比較結果の再利用に基づくメディア・アプリケーション向け低消費電力キャッシュ"第15回 回路とシステム(軽井沢)ワークショップ予稿集. 571-576 (2002)
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[Publications] 井上弘士, モシニャガ・ワシリー, 村上和彰: "実行頻度の偏りを利用した命令コード割当による命令ROMの低消費電力化"第15回 回路とシステム(軽井沢)ワークショップ予稿集. 565-570 (2002)