2002 Fiscal Year Annual Research Report
剛直な分子骨格の特性を活かした典型元素化合物の構築と機能発現
Project/Area Number |
14703027
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河内 敦 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70260619)
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Keywords | 剛直骨格 / 典型元素 / 窒素二座配位子 / 低配位ホウ素アニオン種 |
Research Abstract |
低配位13族アニオン種は14族2価化学種と等電子構造であることから,その構造および反応性に興味がもたれる。しかしその合成例は極めて限られている。本年度は,安定なホウ素アニオン種を合成するために,ホウ素周りを立体的に保護し,かつホウ素上の空軌道を電子的に安定化する新規窒素二座配位子を設計した。その合成経路として6-methyl-tetrahydropyridineのホモカップリングを計画した。2-methylpiperidineをN-chlorosuccinimideで塩素化した後,酸化することにより,対応するイミンを収率56%で合成した。次にこれをMeLi/CeCl_3によりメチル化し,2,2-dimethylpiperidineを収率44%で合成した。さらにこれをtert-BuOClで塩素化した後,18-crown-6存在下KO_2で酸化することにより,6-methyl-tetrahydropyridineを得ることができた。現在Zn等を用いて,このイミンの還元的カップリングによる環状ジアミンの合成を検討している。また別経路として,2,2-dimethylpiperidineの窒素原子上にortho-directing groupとしてBoc基等を導入した後,有機リチウム試薬を作用させることで,窒素原子のα-位をリチオ化することを検討している、今後,このリチオ体を酸化的にカップリングさせることにより,環状ジアミンを得ることを計画している。
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