2002 Fiscal Year Annual Research Report
癌の骨転移におけるシクロオクシゲナーゼの関与―COX-2をターゲットとした転移性骨腫瘍に対する治療法の開発に関する研究―
Project/Area Number |
14704038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 芳久 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60343141)
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Keywords | 腫瘍 / 転移 / 骨吸収 |
Research Abstract |
癌が骨に転移すると、骨から溶出するtransforming growth factor(TGF)-βが腫瘍に作用して、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の産生を促進し、これが破骨細胞による骨吸収を活性化することが知られている。このメカニズムにcyclooxygenase(cox)が関与するかを調べた。 1 In Vitroでの解析 乳癌細胞MDA-MB-231培養上清中のPTHrP量をimmunoradiometric assay法により測定した。TGF-β1を5ng/ml添加することにより、PTHrPの産生は11倍に増加した。 さらにシクロオキシゲナーゼ-2の特異的阻害剤であるセレコキシブを1μM添加すると、PTHrPの産生は3分の2に低下した。これはTGF-β1の刺激によるPTHrPの産生にcox-2が部分的に関与することを意味している。 2 In Vivoでの解析 MDA-MB-231をヌードマウスの左心室に注射することにより、骨転移が発生することをレントゲンと組織学的に確認した。次年度にはcox-2阻害剤を経口投与することにより、骨破壊を抑制できるかを検討する予定である。
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