2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14704044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 裕子 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70302130)
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Keywords | 網膜色素変性 / 遺伝子変異 / 高頻度変異 / 創始者効果 |
Research Abstract |
スクリーニングを効率かつ迅速におおくの検体につきスクリーニングするシステムを作製し、常染色体優性網膜色素変性の全ての侯を遺伝子をスクリーニングした。ペリフェリン/RDS遺伝子コドン244の2つの変異、コドン184およびコドン200の変異を明らかにし、同遺伝子コドン172の変異、ロドプシン遺伝子コドン347の変異および第19染色体長碗に連鎖する本疾患家系が検出され、遺伝的異質性の理解、病因の解明に貢献してきた。さらにPRPF12遺伝子、ロドプシン遺伝子、HPRP3遺伝子に日本人固有の原因遺伝子異常を確認した。アレスチン遺伝子1147delA変異が日本人小口病の原因遺伝子異常であり、さらに同遺伝子異常が常染色体劣性網膜色素変性をひきおこすことを世界で初めて明らかにした。また、X染色体劣性網膜色素変性の候補遺伝子であるRP2遺伝子を用いて検索を行い、世界で初めての遺伝子異常、およびその臨床像の報告を行った。さらに、また、RDH5遺伝子1085delC/insGAAG変異が日本人眼底白点症の高頻度変異であり、Gly35Ser変異は進行性網膜変性を起こすことを報告し、眼底白点症の病態に関して新たな知見を与えた。また、強調したい実績は、日本人に特異的に網膜色素変性の原因遺伝子異常が存在するという観点から、現在までに網膜色素変性を起こすと報告されていない遺伝子に対して日本人患者でスクリーニングを施行した結果、日本人に高頻度に認められる遺伝子異常を発見し、さらにその臨床像の検討を行った。これらの研究により、現在までに報告のないFSCN2遺伝子が網膜色素変性を起こすことを初めて証明し、さらに日本人の高頻度変異であることも証明した。当教室は本邦における網膜色素変性の研究センター的機能を果し、全国の大学より本症患者の血液を集め、すでに1500例以上のゲノムDNAを保管しており、本研究をさらに発展できる準備は十分整っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Wada Y, Abe T, Itabashi T, Sato H, Kawamura M, Tamai M: "Autosomal Dominant Macular Degeneration Associated with 2O8delG Mutation in FSCN2 Gene"Arch Ophthalmol. (In press).
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[Publications] Itabashi T, Wada Y, Sato H, Kunikata H, Kawamura M, Tamai M: "Ocular Findings in a Japanese Family with an Arg41Trp Mutation of CRX gene"Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. (In press).
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[Publications] 和田裕子, 玉井信: "ペリフェリン/RDS遺伝子異常による網膜変性 Arg172Gln変異と常染色体優性黄斑ジストロフィー"臨床眼科. 56. 1311-1313 (2002)
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[Publications] Sato H, Wada Y, Abe T, Kawamura M, Wakusawa R, Tamai M: "Retinitis pigmentosa associated with ectopia lentis, microcephaly and mentalretardation"Arch Ophthalmol. 120. 852-854 (2002)
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[Publications] 和田裕子, 玉井信: "PR2遺伝子異常を伴ったX染色体劣勢網膜色素変性の1家系"臨床眼科. 56. 109-111 (2002)
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[Publications] 和田裕子, 玉井信: "ミトコンドリア遺伝子異常と網膜変性"臨床眼科. 56. 944-946 (2002)