2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅末期がん患者の家族に対する地域看護支援法の開発とその有効性に関する研究
Project/Area Number |
14704058
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
福井 小紀子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40336532)
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Keywords | 家族支援 / 末期がん / 在宅ケア / 介入研究 |
Research Abstract |
本研究は、3年計画で、在宅末期がん患者の家族に対する看護支援法の開発とその有効性の検討を行うことを目的としている。初年度である昨年度は、在宅末期がん患者の家族の在宅療養中のニーズについて調べるために、全国質問紙調査(n=528)を行い、その結果として、在宅における患者と家族の看護支援ニーズ、および在宅療養の最終目的である在宅死の実現に関連する要因を明らかにし、それをPalliative Medicine誌に掲載した(Fukui, et al.2003)。2年目である本年度は、第一に、末期がん患者とその家族の在宅療養におけるニーズに関する文献レビュー、国内の訪問看護ステーションへの現地視察、および本領域の看護専門家との討議を基に、我が国の在宅末期がん患者の家族に対する"末期がん患者の家族のための包括的な情報提供および教育を主体とした看護ケアプログラム"を作成し、その作成過程と実施可能性についてまとめた結果を日本看護科学学会誌に投稿し、2004年4月に掲載予定としている。第二に、このプログラムの有効性を検討するために、4月に、訪問看護ステーション40ヶ所の120名の調査参加意思を示した訪問看護師を対象に、訪問看護師による家族に対する看護ケアプログラム(介入)を実施するための方法についての研修会を開催し、その後のデータ収集方法を約束した。しかし、データの収集が1年間で60例を予定していたにもかかわらず、データ回収状況が半年経ても10例以下と当初の予定を大幅に下回ったため、1月に、再度、参加意思のある訪問看護ステーションを新たに募り、新メンバーである訪問看護師向けに家族介入の方法に関する研修会を開催し、データ収集を呼びかけた。現在は、研修に参加した訪問看護師によるデータ収集期間であり、最終年度である来年度は引き続き、データ収集が目標数を超えるように、研究者は調査継続のための訪問看護師に対するサポートを行い、そして、介入効果についての結果をまとめる予定である。
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[Publications] Fukui S, et al.: "Determinants of the place of death among terminally ill cancer patients under home hospice care in Japan."Palliative Medicine. 17(5). 45-53 (2003)
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[Publications] 福井 小紀子, 川越 博美: "在宅末期がん患者の家族に対する教育支援プログラムの適切性の検討"日本看護科学会誌. (印刷中).
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[Publications] 福井小紀子, K.K.キューブラ 他: "エンドオブライフ・ケア:終末期の臨床指針"医学書院. 462 (2004)