2002 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活動作の全身骨格筋および脳活動の観察 〜ポジトロン断層法を用いて〜
Project/Area Number |
14704059
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00229048)
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Keywords | ポジトロン断層法 / 歩行 / 自転車運動 / 骨格筋活動 / 脳活動 |
Research Abstract |
本年度は、日常生活動作の中で歩行および自転車運動について全身の骨格筋活動を、自転車運動について脳活動の観察を行った。歩行実験の被験者は男性であり、運動群11名、安静群6名であった。歩行では下腿筋群の活動が顕著であり、特に前脛骨筋や後脛骨筋において高い活動が認められた。殿筋群では小殿筋が、大殿筋や中殿筋に比べ最も高い活動を示した。先行研究のランニング時では、足筋群が下腿筋群と同程度の高い活動を示した。しかし歩行時には足筋群は下腿筋群より活動は低く、足筋群は速度上昇に重要な筋であると考えられた。大腿筋群も安静時に比べ活動は増加したが、下腿筋群や殿筋群に比べ活動は低かった。しかし大腿筋群については、歩行時には伸張性収縮が起こるため、他の筋との直接的な比較にはさらなる研究が必要とされる。これらの結果はJ.Orthop Sci.(2003)8:55-61に研究報告した。 自転車運動では大腿四頭筋の活動が有意に上昇した(Med.Sci.spots exerc(2003)In Press)。また腸腰筋(腸骨筋と大腰筋)の活動が大腿四頭筋と同様に高まっていた。これまで自転車運動の主動筋は大腿四頭筋と言われてきたが、大腰筋も同様に主動筋であることが本研究から明らかになった。自転車運動時の脳活動は補足運動野の脚領域、小脳中部の活性が認められた。また自転車運動で運動強度を上昇させることによって、帯状回と小脳の活性が認められた。しかし運動強度を上昇させても脚領域は活性化しなかった。ヒトにおける運動時の脳活動で、記憶・情動に関わる帯状回の活性が高まることは全く新しい報告である。また運動強度の上昇には補足運動野よりも小脳が関わる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kemppainen Jukka: Journal of Physiology. 524(Part2). 403-412 (2002)
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[Publications] Naoyuki Oi: "FDG-PET imaging of lower extremity muscular activity during level walking"Journal of Orthopaedic Science. 8. 55-61 (2003)
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[Publications] Toshihiko Fujimoto: "Skeletal muscle glucose uptake response to exercise in trained and untrained men"Medicine & Science in Sports & Exercise. (In Press). (2003)