2004 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活動作の全身骨格筋および脳活動の観察〜ポジトロン断層法を用いて〜
Project/Area Number |
14704059
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (00229048)
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Keywords | PET / 階段昇り / FDG / 中殿筋 |
Research Abstract |
今年度はポジトロン断層法(PET)と^<18>F-Fluoro-deoxy-glucose (FDG)を用いて階段昇り運動時の全身骨格筋の糖取り込みを観察した。階段昇りは1分間に70段であった。運動時間は60分間であり、運動開始30分後に^<18>F-FDGを静脈より投与した。この運動負荷での心拍数は140-150拍/分であり中強度の運動であった。運動終了後ただちに全身のPETの測定を開始した。FDGの取り込みは中殿筋で最も亢進し、次に大腰筋、腓腹筋の亢進が認められた。大腿四頭筋やハムストリングでも亢進は認められたが、上記の筋よりも低い値を示した。 バイオメカニクス的には、階段昇降は股関節、膝関節および足関節の屈伸運動の繰り返しである。中殿筋は股関節の屈伸に補助的に作用することは知られているが、主動筋ではない。中殿筋は大腿骨頭を寛骨に押しつけ、股関節を安定させる作用も持つ。階段昇り運動ではステップ脚が空中にあるため、脚の重みに拮抗して大腿骨を寛骨に引きつける動作が大変重要である。そのため、比較的小さな筋である中殿筋のエネルギー消費が高まったものと考えられる。中殿筋の作用が不十分であれば、脚部が下がり、ひいてはつま先が階段に当たってしまう。高年では段差による怪我が問題視されているが、関節の屈伸に関わる筋だけではなく、関節を安定させる中殿筋のトレーニングがその予防策として有効であると考えられる。
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Research Products
(2 results)