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2002 Fiscal Year Annual Research Report

「他者」への応答という論点にそくした「自由」概念の再検討

Research Project

Project/Area Number 14710014
Research InstitutionTokyo Keizai University

Principal Investigator

麻生 博之  東京経済大学, 経済学部, 講師 (50317905)

Keywords自由 / 他者への応答 / 非同一的なもの / 自発性 / 自己決定 / 自己保存 / 責任 / 倫理学
Research Abstract

本年度は、当該課題の研究をすすめるための一つの基礎的な取り組みとして、「自由」概念を中心としながら、関連するいくつかの概念について、思想史にそくした概括的な研究を行なった。
1、まず、本研究において一つの鍵概念となる「自発性」に着目しながら、おもに近代の諸思想を中心として、「自由」一般についての概念史的な研究を行なった。具体的には、アリストテレスの倫理思想、またスコラ哲学における自由意志をめぐる論争についても概観しつつ、デカルト、ホッブズ、スピノザ、ドルバック、ライプニッツ、ヒューム、ルソー、カント、ヘーゲル、J.S.ミルなどの思考にそくして、「自由意志」「自発性」「決定論」などにかかわる古典的な諸議論について考察した。そのことによって、限定的なかたちながら、「自由」概念をめぐるいくつかの基礎的な論点を整理するとともに、「自発性」概念のごく多様な位相について確認しえたと思われる。
2、「自由」概念と微妙なかたちで関連してきたと考えられる重要な概念の一つとして、「自己保存」に着目し、思想史的ないくつかの側面から研究を行なった。具体的には、アリストテレス、ストア派などの思考、また「慣性」の原理をめぐる近代初期の科学思想についても参照しながら、「自己保存」と「自由」の関連についてホッブズ、スピノザ、ライプニッツなどの思考、また「自己保存」と「個体」あるいは「生」との関わりをめぐってショーペンハウアー、ニーチェ、フロイトなどの思考を考察の対象とした。本年度の研究においては、なお限られた範囲においてではあれ、思想史的な連関のなかで「自由」と「自己保存」の関わりについて批判的に検討をすすめるためのいくつかの手がかりをうることができたと思われる。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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